センター講座が行われました

センター講座・湿原散策「高原温泉沼巡り」が行われました。

紅葉時期に多くの登山者の方で賑わいますが、この点在する沼の成因は、高根ヶ原の地滑りで崩落した堆積物が、長い年月の間に陥没地となり、そこに水が溜まり約100以上の沼が形成されました。

大小多数の沼は、発見当初、点在する沼の形が扇を開いたように見えることから「扇が原」と呼ばれていました。

発見は大正5年、その後昭和29年の洞爺丸台風被害による風倒木処理事業で林道整備が進み、温泉周辺までの林道が延伸、昭和38年には大雪高原温泉ホテルが建設され、そして、高原沼の発見は、大正15年に測量地形図に表記され、昭和36年に沼巡りコースが完成しました。

周辺では約150種以上ともいわれる植物が見られますが、大雪固有植物の「ダイセツヒナオトギリ」、北海道固有植物の「タニマスミレ」も観察できます。

写真:緑沼周辺 8/3

赤石川・北海沢周辺

本日の赤石川はやや水量が多く、登山靴では水がかかってしまうほどでした。

渡渉の際は、石の上もやや滑りやすくなっており、通行の際の注意と装備の充実、また、前日等の雨の状態を確認されての山行をおすすめします。

周辺では、エゾコザクラやアオノツガザクラが群落を形成しており、また、雪どけ場には、イワウメ、ミネズオウなども開花しています。

北海沢周辺では、規模は小さいもののチングルマやエゾツガザクラが群落状態となっています。

写真:赤石川・北海沢周辺 8/1 

雲ノ平周辺

遠目にはチングルマやエゾツガザクラの群落もまだ形成されていますが、全体的にはチングルマの綿毛で占められています。

その中に、ミヤマキンバイ、エゾコザクラ、ミヤマアキノキリンソウ、ミヤマリンドウなどが入り混じった状態となっています。

頂上周辺のエゾツツジ、石室周辺のチシマツガザクラも終花の様相で、そろそろ秋への準備段階といったところです。

写真:雲ノ平のチングルマ綿毛群落 8/1

黒岳のお花状況

先日の強い雨の影響もあって、萎れ気味のお花も出始めましたが、八合目周辺から頂上にかけては、写真のハイオトギリ、チシマノキンバイソウ、オニシモツケ、ミヤマアキノキリンソウ等々が登山道上を賑わせています。

また、ダイセツトリカブトやウメバチソウなどの秋のお花も目立ち始めており、まだまだ「花の黒岳」の様相です。

写真:黒岳九合目周辺のハイオトギリ群落 頂上周辺のミヤマアキノキリンソウ 8/1

赤岳コースの雪渓状況

赤岳コースの登山道上の雪渓は、第3雪渓上部に約32mの雪渓が残っており、距離は短くなってきましたが雪面は固く締まり、登り下りの際は注意が必要です。第2花園は、約67mの雪渓が残っていましたが、こちらの雪渓はロープもしっかり張られており、傾斜も第3雪渓ほどではないので大きな問題はないと思われます。

第4雪渓、第1花園に残っていた登山道上の雪渓も先日の大雨でほぼ消失していました。

*詳細は山情報をご覧ください。

写真:赤岳第3雪渓上部  7/31