赤岳・小泉岳周辺

 大雪山は本格的な登山シーズンに入りました。雪解けは一月ちかく、開花は二週間以上早い印象です。赤岳登山コースの雪解けおよび開花状況は概ね以下のとおりです。

 

残雪状況

第一花園下:沢筋 10m

第二花園:下部の平坦面は木道が露出しているが、斜面は全面雪

奥ノ平:下部 5m 上部トラバース 20m

第三雪渓:最下部沢筋 10m

第四雪渓:下部 5m×2箇所

 

開花状況

第二花園下:エゾコザクラ・チングルマ↑

第三雪渓下:キバナシャクナゲ↓ ジンヨウキスミレ・ウラジロナナカマド〇

第三雪渓中間部:エゾコザクラ・ジムカデ・チングルマ↑

第四雪渓上部:チングルマ↑

赤岳山頂周辺:イワウメ・ミネズオウ・エゾオヤマノエンドウ↓ ミヤマキンバイ・メアカンキンバイ〇 チョウノスケソウ・ホソバウルップソウ・タカネスミレ↑ エゾタカネツメクサ始

小泉平:チシマアマナ・イワウメ・ミネズオウ・エゾオヤマノエンドウ↓ チョウノスケソウ・ホソバウルップソウ・タカネスミレ↑ キバナシオガマ始

 

写真 コマクサ平 小泉平 2024年6月29日

赤石川

今日(6/27)の赤石川は水量も少なめで蛇篭も露出しており、北海岳側の深いところもほとんど石を伝って渡ることができました。(1ヶ所、川の中に足を入れたところがありましたが、足の甲が濡れるくらいの水深でした。)

北海岳側の対岸は雪がぐっと減りましたが、斜面に多くの雪が残っています。

石室から赤石川方面に進むとキバナシャクナゲやエゾノツガザクラがきれいに咲いており、チングルマも咲き始めていますが、赤石川周辺の登山道沿いのお花は、まだこれからです。

写真:赤石川 6/27

北鎮岳分岐下雪渓

北鎮岳分岐下はまだ全面雪ですが、ルート上にはマーカーが引かれ、林野庁のGSSの方が雪切りをして階段状にしてくれているため、これまでとは比べものにならないほど登りやすい状態になっています。(雪面の状態も、今日はシャーベット状で柔らかでした。)

ただ、雪上を歩くのに慣れていなくて不安な場合は軽アイゼンなどの滑り止めとストックの携行をおすすめします。

写真:北鎮岳分岐下雪渓 6/27

黒岳北東斜面

黒岳の登山道は、もう雪の心配をしなくても大丈夫です。登山道脇に雪の残る箇所は七合目登山口から九合目標柱までで大小あわせて4ヶ所ありますが、どれも登山道は半分以上出ている状態のため、登山靴で安心して登ることができます。(残っている雪も、あと数日で消えてしまうと思われます。)

登山道沿いでは、お花が次々と咲き出しています。今日はミヤマクロユリを発見! ウコンウツギにチシマノキンバイソウ、ウラジロナナカマドも咲き始めました。これから山の斜面がクリーム色や橙色、白色で染まるのが楽しみです。

【開花状況】

(七合目~九合目)ウコンウツギ始・サンカヨウ・ミツバオウレン・ヒメタケシマラン・クロウスゴ(実)・エゾイチゲ・ショウジョウバカマ・ミヤマキンポウゲ・エゾノイワハタザオ・ハクサンチドリ・カラマツソウ・ジンヨウキスミレ・キバナノコマノツメ・エゾノハクサンイチゲ・ミヤマヤナギ・ミヤマクロユリ・チシマノキンバイソウ始・トカチフウロ始・ウラジロナナカマド始など

(山頂~ポン黒)メアカンキンバイ・イワヒゲ・ホソバイワベンケイ始・エゾタカネスミレ・コマクサ・イワウメ・エゾノツガザクラなど

(石室周辺)キバナシャクナゲ・ミネズオウ・ミヤマキンバイ・エゾコザクラ・チングルマ・エゾノツガザクラ

(雲ノ平)キバナシャクナゲ・エゾコザクラ・エゾノツガザクラ・ミネズオウ・イワヒゲ・イワウメ・コメバツガザクラ・ヒメタケシマラン・チングルマ始など

【気温】黒岳五合目 6:15 ・・・10℃、七合目登山口 13:50・・・ 14.8℃

※九合目登山道上にクマの糞がありました。(6/25に確認されたもの)

写真:九合目下の残雪、ミヤマクロユリ(九合目) 6/27

 

 

沼ノ平

 愛山渓温泉から沼ノ平へむかう登山道も雪はほとんどなく、半月沼上部に僅かばかり残っているだけになっています。沼ノ平湿原の開花状況は以下のとおりです。

 

半月沼付近:ワタスゲ穂 ショウジョウバカマ・ミツバオウレン↓ コツマトリソウ・エゾコザクラ↑

六ノ沼周辺:ワタスゲ穂 ショウジョウバカマ・ミツバオウレン・チングルマ↓

 

写真 半月沼 六ノ沼 2024年6月27日