黒岳北東斜面

 ここにきて秋のお花が随分と増えだしました。
また、チシマノキンバイソウをはじめとして、夏のお花もまだまだ種類も花数も多い状態です。

 ミヤマアキノキリンソウやハクサンチドリ、トカチフウロやミヤマキンポウゲ等に混ざり
青系のイワギキョウ・ダイセツトリカブト・アザミ類などの秋のお花も範囲を拡げています。

台風の進路が気になりますが、もう少し夏のお花も楽しめそうな黒岳です。

写真:黒岳頂上直下 チシマノキンバイソウ・オニシモツケ 8/3

赤岳コースの開花状況

赤岳登山情報

 赤岳登山道の残雪は、第二花園で全体の三分の二くらいが雪に覆われているほか、第一花園下部に数メートルを残すだけとなりました。
アイゼンなどの滑り止めはとくに必要ないと思われます(写真①)。

 稜線では開花が目覚ましかったエゾツツジもピークを過ぎ(写真②)、あとはクモイリンドウの開花を待つばかりとなりました。
青い花が増え始め、花シーズンも後半を迎えた印象です。

開花状況
第一花園:ミヤマキンバイ・エゾコザクラ↓ チングルマ・カラマツソウ〇 ウコンウツギ・ハクサンボウフウ・マルバシモツケ・ハイオトギリ・エゾウサギギク・ミヤマアキノキリンソウ・ヨツバシオガマ・エゾヒメクワガタ↑ ウメバチソウ始
第二花園:キバナシャクナゲ・エゾコザクラ・ミヤマキンバイ・チングルマ・エゾノツガザクラ・ジムカデ↑
奥の平:コエゾツガザクラ・ウコンウツギ・ミヤマキンバイ・エゾコザクラ↓ チングルマ〇 アオノツガザクラ・エゾヒメクワガタ・シラネニンジン↑
コマクサ平:コマクサ・シラネニンジン・エゾノマルバシモツケ・イワブクロ・チシマキンレイカ↓ チシマツガザクラ〇
第三雪渓:ハクサンフウロ・シラネニンジン・エゾヒメクワガタ・アオノツガザクラ↓ イワギキョウ・ヨツバシオガマ・エゾウサギギク〇 ミヤマリンドウ↑ ウメバチソウ・ミヤマアキノキリンソウ始
第四雪渓:イワヒゲ↓ エゾヒメクワガタ・チングルマ・エゾコザクラ・ミヤマキンバイ○ ヨツバシオガマ・エゾウサギギク・ミヤマリンドウ・イワギキョウ・アオノツガザクラ・シラネニンジン↑
赤岳山頂付近:エゾイワツメクサ・キバナシオガマ・イワブクロ・イワヒゲ・エゾノマルバシモツケ・エゾツツジ・チシマキンレイカ・チシマツガザクラ・メアカンキンバイ↓ エゾハハコヨモギ・コマクサ○ チシマギキョウ・エゾタカネツメクサ・ヒメイワタデ・クモマユキノシタ・ムカゴトラノオ・サマニヨモギ↑
小泉平:イワヒゲ・ミヤマキンバイ終 メアカンキンバイ・エゾノマルバシモツケ・エゾイワツメクサ↓ ヒメイワタデ・クモマユキノシタ・エゾハハコヨモギ・コマクサ○ リシリリンドウ・チシマギキョウ↑

写真 ①赤岳第二花園 ②赤岳山頂付近 7/29

赤石川方面

 雪どけ場から「チングルマ」「エゾツガザクラ」「エゾコザクラ」
「キバナシャクナゲ」「ミネズオウ」「アオノツガザクラ」等々が開花しています。

 特に「アオノツガザクラ」はまだまだ蕾もたくさんあることから、
数日間見頃の状態が続くと思われます。

*赤石川は、流れがやや強めですが「蛇カゴ」に水は被っていないため
 問題なく渡渉可能です。
*北鎮岳分岐下の雪渓は消雪しています。
*雲ノ平周辺の「チングルマ」等は綿毛の状態に移行しつつあります。
 周辺では「アオノツガザクラ」等々が開花中です。

写真:赤石川周辺のチングルマ・アオノツガザクラ 7/26

黒岳頂上直下

 頂上周辺からポン黒岳周辺に至るまで「エゾツツジ」がまだまだ
見頃の状態を保っています。

 さらにその範囲も拡げ、久しぶりに見事な群落状態です。
行き交う登山者からも感嘆の声が聞こえます。

 先に掲載した通り「キバナシャクナゲ」「エゾツツジ」「イワヒゲ」「タカネスミレ」等は
数年ぶりに良い状態になりましたが、ここにきて「チシマツガザクラ」も一気に開花しています。

 この「チシマツガザクラ」も久しぶりに良い状態となっており、小さめのお花ではありますが、
広範囲に渡って群落状態となっています。

花の種類や天候にもよりますが、今年はお花が大変に綺麗な年となっています。

写真:頂上周辺のエゾツツジ・チシマツガザクラ 7/26

黒岳北東斜面

 群落を作っていた「ウコンウツギ」はまだ見頃のものもありますが、
そろそろ萎れかけが目立ち始めてきました。

 変わって「チシマノキンバイソウ」が八合目周辺からその範囲も拡げつつあり、
特に頂上直下は写真の通り、一つ一つのお花が大きめの群落ができつつありました。

 まだまだ蕾もあることから、これからさらに拡がっていくでしょう。
後日発行の「山情報」に詳細は載せますが、花数や種類も日に日に増えていっています。

写真:頂上直下のチシマノキンバイソウ 7/26