森の中を散策中、折れてしまったヤチダモの木に、薄緑色の「ウスタビガ」というヤママユガ科のまゆが下がっていました。さなぎを保護するため、絹糸でつくられたまゆは「やまかます」とも呼ばれています。ウスタビガは、漢字では「薄手火蛾」、とか「薄足袋蛾」と書きますが。「手火」とは、提灯の形を意味します。緑の葉が茂っている頃にはほとんど見つけることができませんが、落葉期が終わると遠くからでもすぐに見つけられます。細い木の枝に繭の糸を絡ませて、強風にも飛ばされないように付いています。枝から離そうとしても枝の方が折れてしまうほど強度があります。中を覗くと、底に小さな穴がありますが、雨水を抜くための穴のようです。幼虫や成虫の写真はありませんが、皆さんも一度は目にしたことがあるはず・・・あの、とてつもなく鮮やかな緑色の・・・です。
写真:ウスタビガの繭 2/12
写真:ウスタビガの繭 2/12