雲の平方面

雲の平周辺は全体的にチングルマの綿毛で占められており、秋の様相となっています。8月上旬に最盛期だったミヤマアキノキリンソウは、少し元気がなくなってきたお花も多いですが、お鉢平展望台下では奥の方で黄色の群落が見られました。他には、ミヤマリンドウも見頃です。

北鎮岳は分岐下の雪渓の消失が8/17に確認されましたが、周りの雪渓の雪解けも進んでいます。白鳥・千鳥の雪渓もきれいになくなりました…。

紅葉の本格的な色付きはこれからですが、雰囲気はすっかり秋です。日が陰り、風が出てくると、肌寒く感じます。最近では、黒岳石室で早朝5時くらいの気温が7~8℃だそうです。服装も秋の装いで山をお楽しみください。

写真:チングルマの綿毛(雲の平)、北鎮岳遠景 8/19

緑岳コースの開花状況

 ここのところ涼しい日が続いていますが、山はすっかり秋の様相を呈しています。登山道周辺の植物は開花期を終え、花の名前の由来にもなっているチングルマの種子が目立ちます。見ごろの花を見たかったら、白雲小屋まで足を伸ばしてください。クモイリンドウが見頃を迎えています。
 稜線を吹き抜ける風は完全に秋のそれです。防寒具や手袋、暖かい飲み物を携えて秋山を楽しんでください。ちなみに、7月下旬から居ついていたヒグマは、ここ1週間ほどは姿を見せていないという話ですが、クマ対策もお忘れなく。

写真 緑岳第二花畑 白雲小屋 8/19

残雪は消失

 雪解けが遅く、年によっては9月まで残ることもある北鎮分岐下の残雪は、東西の二つに分割され、登山道を覆っていた部分は、8月17日現在で、ほとんど解けました。今後は黄色いペンキのマーキングをたどって歩いてください。

写真 北鎮分岐下の残雪 8/17

赤岳第三雪渓

 雪解けの遅い雪田周辺でタカネトウウチソウやイワギキョウが見頃を迎えています。今が旬のクモイリンドウはコマクサ平から白雲分岐にかけてチラホラと咲いていますが、登山道近くで見れる花数は少ないです。大株で咲いているのを見たければ白雲小屋まで足を運んでください。白雲小屋周辺ではダイセツトリカブトやタカネトウウチソウも見頃を迎えています。

 白雲小屋周辺に出没していた単独のヒグマは、昨日今日と目撃情報がありませんが、まだ近くにいる可能性もありますので、周辺の登山道を利用する際はじゅうぶん気をつけてください。また、白雲小屋では最低気温が4°C近くまで下がっているので、暖かい服装やニット帽などをご用意ください。

開花情報
第一花園:ハイオトギリ・ミヤマアキノキリンソウ・ヨツバシオガマ↓ タカネトウウチソウ◯ コモチミミコウモリ◯ ウメバチソウ↑
第二花園:チシマクモマグサ↑
奥ノ平:ハイオトギリ・ハクサンボウフウ・ヨツバシオガマ・エゾウサギギク・ミヤマリンドウ↓ タカネトウウチソウ◯ ウメバチソウ・ミヤマホツツジ↑ 
第三雪渓:ハクサンボウフウ・アオノツガザクラ・エゾヒメクワガタ・ミヤマリンドウ・ヨツバシオガマ↓ エゾノミヤマアザミ・イワギキョウ◯ ウメバチソウ↑
第四雪渓:ミヤマアキノキリンソウ・エゾウサギギク・ミヤマリンドウ・ハクサンボウフウ・ハイオトギリ・ヨツバシオガマ↓ エゾノミヤマアザミ◯ タカネトウウチソウ↑
赤岳〜白雲分岐:ウスユキトウヒレン↓ クモイリンドウ◯少
白雲小屋周辺:エゾノミヤマアザミ・ナガバキタアザミ↓ クモイリンドウ・タカネトウウチソウ・ダイセツトリカブト◯

写真 奥ノ平 第三雪渓 8/15

ヒナは、そのままで。

昨日、オオルリだと思われるヒナを手に乗せたお客様が当センターにいらっしゃいました。近くを歩いていたら石の上にヒナが留まっていて、近づいても動かないものだから心配になり、手に乗せて当センターに連れて来たそうです。ヒナのことを心配し、助けてあげたいという気持ちはとてもわかるのですが、このような場合は決して手を出さないでください。

野鳥のヒナが親鳥から離れてひとりぼっちでいても、それは“迷子”ではありません。巣立ち間近や巣立ち直後のヒナであることが多く、巣が近くにあったり、親鳥が少し離れたところで見守っていたりします。

巣立ち直後のヒナは、上手く飛べなかったり、歩けなかったりすることが多く、動かずに地面にじっとしている場合があります。親鳥は人の姿が見えなくなると、ヒナのもとへ戻って世話をします。人がそばにいると親鳥はヒナに近づくことができなくなりますので、ヒナを見かけても手を出さずに自然のままでお願いします。

※昨日お客様が連れて来たヒナは、元いた場所へ戻しました。しかし、そのすぐ近くにはシマヘビが!ヒナが無事に成鳥となってくれることを祈るばかりです。

写真:オオルリだと思われるヒナ、シマヘビ(層雲峡) 8/12