縦走路にて

白雲小屋より高根ガ原を経て忠別・ヒサゴ・トムラウシへの憧れの縦走路(私は沼の原へ途中下山)。高根ガ原・平ヶ岳周辺のコマクサの群落は一つ一つの花はだいぶくたびれてきていましたが、遠目には花数も多く見ごたえがある。平ヶ岳では群落が少し遠めにあってちょっと切ない。確かに気持ちはわかる。今日は女性二人が登山道を2~3m外れてコマクサ群落に近づいて写真を撮っている所に居合せてしまった。戻ってきた所で「登山道外に立ち入らないようにお願いします」とお願いしたら「そうなんですよねぇ…ハァーイ」との返事。きっとこの人達はまた誰も見ていないところでなら簡単に登山道を外れてしまうんだろうと思いつつ去る。
楽しみに山に来ている人に注意をしてお互いに嫌な思いをするのが自分も嫌なので、どうしても注意ではなく声かけになってしまう私の姿勢も甘いのだと思うけれど、パトロールには限界がある。
最近は山のトイレの問題とか登山道侵食の問題とか、あれよあれよと言う間に行政が山について関わりだし、それはそれで良い方向なのだろうけど一人一人の自分自身に対する意識は向上してるだろうか?
自分に都合の良いことだけじゃなく(トイレがなかった所にトイレが出来てラッキー!とか)守るべきことは守ると言う潔さはきっと無い。
山を楽しみに来てもらうのは歓迎すべきことだけど開放的な気分になりすぎ羽目をはずしてテント場で騒ぐとか、登山道外立ち入らないで!わかっていても自分くらいは…とか、ハイシーズンに何人かのパーティーでの山中泊山行でテントを持っても来ないとか、気軽に植物帯の上に座るとか荷物を置くとか…愚痴めいてしまってスミマセン、でもそんな事にぶち当たるとめげてしまいます。
楽しむ為に自分を律することも心がけて欲しいと私も心がけなければと思う平ヶ岳でした。
写真:地面に満開のチシマツガザクラ。わからないかなぁ?

裾合平

前回7/15咲き始めだったチングルマはもう下り坂かな?別の場所はどうかなぁ?と思いながら裾合平へ行ってきました。
中岳温泉寄りの方のチングルマは咲き始めなのか、キレイだけれど花数が少ない感じ。エゾコザクラの群落は下り坂の所とちょうどキレイに咲いているところとイロイロ。
もう終わりかな?と思っていた裾合分岐寄りのチングルマの群落はまばらに綿毛になりかかって全体的には下り坂かもしれないけれどまだまだ花数あり、奥までクリーム色が広がっていて思っていたよりヨカッタ。
写真:木道脇はこんな感じ。
(黒岳雲ノ平のチシマツガザクラが咲き始め。まだ蕾も多く今週末は見頃になるのではないでしょうか)

非常識

三連休の中日、層雲峡もにぎやか。山もかなりの人出で賑わっていたことでしょう。そんな中かなり腹立たしい電話がありましたので皆さんにはそんな事がないよう、お知らせです。
電話の主は声の感じから40歳前後と思われる男性で愛山渓から沼の平へ登山中。電話は松仙園あたりでしょうか?
迷っていると言うわけではないようでしたが「今こんな感じの所にいるのですがどこそこへ行くのは右か左か?」とか「この辺りから沼は見えるのか?」とか「雪渓をどの方向に行ったら良いか?」とか…
地図も持たず、事前の下調べもせずの登山だったのでしょう。今日はお天気も良かったので携帯電話の通じにくい愛山渓からでも(途中切れながらも)通じましたが、「山に登りながら情報を聞こう」と思っていたのであればその姿勢には疑問が残るし、「ちょっと迷ったみたいなので電話してみた」のであっても、こちらは電話を頂いても現地の状況を把握できませんのでルートの指示など出来ません。
携帯電話に頼って、事前の準備もしないような姿勢では事故・遭難につながるのだと思います。しかも少し気軽な感じの問合せだったので(これはこちらの主観ですが)あきれるよりも腹立たしかった。
比較的気軽な日帰り登山でも、ちょっとした油断でケガをしたりする可能性のあることを心にとめて、安易な気持ちで登山はしないで下さい。
写真:7月18日白雲岳山頂より(記事との関連はありません)

緑岳・第二花畑

山の上の回復は遅く9時くらいまでは中腹より上は霧。だんだん晴れたりガスったりしながら日中はまぁまぁなお天気で時折強い日差しも。夕方にはまた濃い目のガスに覆われてしまいましたが明日はどうかな?
緑岳の花畑はまだまだまだこんな感じに一面の雪の下。第一花畑より第二花畑のほうが雪渓が薄いように感じる。
第一花畑の登山道脇、早めに解けていた雪の渕にエゾコザクラ・キバナシャクナゲが咲いていたけれど第二花畑周辺はまだほとんど開花なし。登山道も雪と交互でぬかるみがちです。
緑岳登り始めの樹林帯でハクサンシャクナゲが咲き始め。昨日の雨のせいかちょっぴり傷んだ花もあるけれど、まだ蕾がたくさんで今年は花数多いと思う。何だか嬉しい、今日の発見。

自然観察講座・赤岳

今日は当ビジターセンターの自然観察講座で赤岳へ。朝のうち降っていた小雨もガスに変わり、コマクサ平に着く頃には晴れ間も見られ、山頂からは旭岳・黒岳・白雲岳の展望も。暑くもなく寒くもない、なかなか恵まれたお天気となりました。
第一花園、昨日の雨のせいか思ったより雪解けが進んだ感じ。展望台まで(下の沢筋以外)登山道にほとんど雪はありませんでした。大きく雪渓が残るのは第二花園と第四雪渓の下のほうに少し。でも雪がとけた分昨日の雨の影響もあってか登山道のドロドロぬるぬるはかなりでしたが。
前回キレイだなぁ~と思った第三雪渓の上のほうの花はやや下り坂でしたが前回はあまり咲いていなかったエゾヒメクワガタが増えていたし、後に雪のとけた下のほうでは花が咲き始めていたり、第四雪渓の横ではアオノツガザクラの小さい蕾も確認できるくらいになっていた。
コマクサ平ではウスバキチョウの小さな1~2ミリくらいの白い卵をルーペで観察。色のずいぶん薄くなって透明に近いようなウスバキチョウも飛んでいましたが、今日は幼虫は発見できなかった、残念。赤岳山頂からは少し先へ足を延ばして、まだ残って咲いているホソバウルップソウやチョウノスケソウを見ることも出来ました。
次回の自然観察講座は8月10日に沼の原登山の予定です。
写真:第三雪渓を登る