層雲峡のクマゲラ

昨日、一昨日と低気圧のおかげで、ひどい吹雪に見舞われた層雲峡。朝からげっそりするような積雪量に、スコップとママさんダンプと、頼れる味方、除雪機出動。さて季節はめぐり、地面の虫たちが起き出す「啓蟄」(3月5日)も過ぎ、石狩川沿いのヤナギは艶やかな白銀のコートを纏い始めました。何だかんだと春の足音。厳しい長い冬も先が見えてきた感じで、こんな突然の吹雪にも少々余裕の表情です。今日、クマゲラが甲高く鳴きました。キョ-ン、キョ-ン 谷に響く美しい声。3月になり、そろそろ繁殖期が始まったようです。層雲峡にも確実に春は近づきつつ。本日いちばんの、嬉しい出来事でした。
 (クマゲラの美しい声って、どんな声?ビジターセンターのタッチパネル式画面から検索すると、鳴声が聞けますよ。他の野鳥のさえずり声や、ナキウサギの鳴き声も!ご来館お待ちしています。)

黒岳五合目の住人

今日は黒岳7合目まで行ってきました。現在、五合目の積雪計は200㎝とちょっと。ロープウェイを降りるとすぐに、あっちから「ジャージャー」、こっちから「ジャージャー」。聞き覚えのある、このしわがれ声はホシガラス。いるいるざっと見えるだけでも6羽ほど。彼らは、高山帯に成育するハイマツの実が大好き。だから特に、実が熟す秋口に大雪の山の上で見かける機会が多くなります。五合目はハイマツ帯ではないのでハイマツはありません。ここではエゾマツやトドマツの種子などを食べています。冬になるとホシガラスたちも山を下りて、数羽の群れになっています。群れでいるというのも、夏とは違った形態です。「あら、こちらにいらしてましたか。やっぱり冬は厳しいですよね。」なんだか山の仲間に会ったような、親近感を感じるのです。
ホシガラス(カラス科):黒褐色のからだに、星を散らしたように白い斑点が並んでいます。さしずめ夜空に浮かぶ星。美しい名前のとおり美しい鳥です。

小さな訪問者

暦の上では「雨水」(雪も雨に変わる頃の意味)も過ぎ、今年は雪も少なく、比較的暖かい日が続いています。が山の上では、まだまだ寒さ厳しくマイナス20℃の世界が支配しています。朝になると、窓の下に小さな足跡がいつもついています。毎晩訪ねてくるその主は、エゾクロテン。センターの周りをグルグル歩きまわっていて、この間はなんと、かまくらの中にまで足跡がついていました。好奇心旺盛です。今日はどこに足跡がついているかなと、毎朝のささやかな楽しみです。

アイスキャンドル

現在、層雲峡では氷瀑祭りが開催されていますが、ビジターセンターでも、職員みんなで毎日コツコツと、センターの前にかまくらとそれに繋がる雪の廊下を作りました。廊下には、くりぬいた窓を作ってアイスキャンドルをひとつずつ置きました。雪降る夜の中、外側から見るその灯りは、トトロに出てくる猫バスみたいでした。残念ながら、安全上ずっと設置しておけないので、近々壊してしまうのですが、遊びにやって来た子供達が、かまくらの中でぐるぐる駈けまわって、バターになって溶けちゃうんじゃないかと思いました。アイスキャンドルは、バケツと水と、あとは氷点下の冷たい空気さえあれば作ることができます。全部凍ってしまうと、キャンドルが入れられなくなるので、そこは注意です。家の玄関の前に作っておくのも素敵です。

アイスキャンドル実物

これが、バケツに水を入れて層雲峡の身も凍る夜気で作った、アイスキャンドルです。