日向ぼっこ

 眩しいくらいに晴れてはいても「ぽかぽか」とはいかず今朝の最低気温はマイナス2℃。寒いです。それでも春は春、道路の真ん中では繁殖期のおんぶガエルが日向ぼっこ中。
 このカエル、エゾアカガエルといいます。田んぼに水が入る頃、メスをめぐるオスのコーラスが異様なほどに盛り上がり、もはやケロケロなどとかわいいものではなく、ぐわあ~ぐわあ~と地面から湧いてくるような感じです。メス争奪戦は壮絶を極め、何匹かのカエルが圧死するほど。このおんぶガエルはそんな戦いを見事勝ち抜いたペアなのです。
 ところでどっちがメスでどっちがオスか?下の大きなカエルがメス。おんぶされている小さなほうがオスです。
 置物のように動かないメスに「車にひかれるぞ~」と声をかけると突然カメラに向かって突進してきたので、不覚にもびっくりして構えていたカメラを落としてしまいました。

幸運の角

 今日は黒岳とはお向かいのパノラマ台からの大雪山です。夏なら1時間ほどで辿り着くパノラマ台からは大雪山と麓の層雲峡が一望できます。
 が、まだ雪もそんなにくさってないだろうと思ったのは誤算でした。右足ずぶっ。左足ずぶっ。前に進みたいのに進めない。地球の重力の前になんと無力なこの我が身。
 と、もがいているところに片角だけの立派なオスジカに出会いました。エゾシカは毎年春になると角が落ちて、また新しい角が生えてきます。新しい角は「袋角」といって軟らかく血管が集まっています。それがだんだん石灰化して秋には硬い角になります。
 今の季節は落ちた角を見つけるチャンス。ぜひその幸運にめぐり合いたいものです。<

観天望気

 昨日の北海道新聞に羊蹄山に現れた見事な笠雲が紹介されていましたが、今朝負けじと(?)大雪山にも美しい笠雲が現れました。ただ写真の腕前未熟なためその見事ぶりが十分に収められなく非常に残念です。
ではここで雲のかんたん解説コーナー。
 笠雲はレンズ雲という雲の一種で、山頂付近に笠のようにかかる雲です。山裾からの風に吹き上げられた湿った空気が斜面にそって上昇し、山頂付近で含まれていた水蒸気が雲粒となって現れます。富士山に笠雲がかかれば雨」ということわざがあるように悪天を告げる雲です。実際4時間も経たないうちに層雲峡に雨が降り出しました。さすが的中率80%!
 (参考文献「雲・空」山と渓谷社)

ミズバショウ前線その2

 ミズバショウ前線もやっと層雲峡に近づいてきました。清川のミズバショウ園はまだ雪が多く散策路(木道)が出ていませんが、雪解け水が流れているところではミズバショウの小さな頭が出始めています。しかし!昨日はなかったはずのチョキの足跡が現場に。そして食べられた無残な痕が!さては脱兎の如くピョンピョン走り去ったあのシカのご一行が・・。リュウキンカに続き、またもやシカに先を越されてしまいました。
 ところでミズバショウには有毒な成分が含まれているのですがシカにとってはどうやらナンノソノのようです。

リュウキンカ

 あまりにも用心深い層雲峡の春!降り積もった雪の除雪作業から始まる一日です。春の先っぽを捕まえたと思っても、するりとかわされてしまう。フキノトウの芽吹きも遅れている層雲峡です。
 町のほうではリュウキンカの花が咲きました。別の場所で、花が咲くのを今か今かと楽しみにしていたらシカに食べられてしまいました。今年は道路沿いや周辺の山に出てきているシカが多いようです。厳冬からの体力の消耗は今がピークで、わずかな樹皮を食べて飢えをしのんでいます。シカたちにとっては緑の芽吹きを遅らせる春の雪はまさに最期の試練です。春を待ちわびる人間の想いとは何と隔たりがあることでしょう。