ホシガラスのハイマツ会議

 8月です。ホシガラスの関心事はもっぱらハイマツの実の熟し具合。トドマツの梢に3羽ダケカンバの枝に4羽、あそこがいいかここがいいかギャーギャーミャーミャー情報交換。
 今はまだ青く未熟なハイマツの球果も、9月になる頃には成熟し、その実を食べに今年もたくさんのホシガラスたちが集まってくることでしょう。

 *開花状況*(赤岳)
 (第1花園)チングルマ○、アオノツガザクラ○/(第2花園)エゾコザクラ○、エゾノ・アオノツガザクラ○、ヨツバシオガマ/(コマクサ平)コマクサ↓/(第3~4雪渓)アオノツガザクラ○、エゾヒメクワガタ、ミヤマリンドウ/(山頂)リシリリンドウ、ヒメイワタデ○、イワブクロ↓

 花は全体的にまばらになってきました。雪渓は第2花園に40m程。奥ノ平はまもなく消えそう。

 写真:ホシガラス
   (第2花園下7/31)

クモイリンドウその蕾も美しく

2007年7月31日(その2)

 季節のはじまりは風から。
 昨日は、これまで出番もなくザックの底にしまいこんでいたフリースを引っ張り出しました。日差しはサンサン。なのに風も空気もひやっと冷たく、じっとしていると山の上では寒いくらい。稜線を飾る主役はすでにキキョウにリンドウ。
 この時節を向かえ、クモイリンドウは藍のしぼりを流したような蕾を少しだけ伸ばしていました。昨年、一昨年とも最初の開花は8月6日でした。どうやら今年もその頃になりそうです。
 蕾を確認しセンターに戻ってそうそう、電話が鳴りじつにタイムリーな問い合わせ。「いつ咲きます?」

 *開花状況*
 (小泉平)チシマギキョウ○、リシリリンドウ○、エゾツツジ↓、ヒメイワタデ、ムカゴトラノオ、クモイリンドウ蕾/(白雲岳)イワギキョウ↑、チングルマ、ミヤマキンバイ、エゾノ・アオノツガザクラ、エゾヒメクワガタ↑/(白雲小屋周辺)チシマノキンバイソウ○、トカチフウロ○、チシマギキョウ○、ミヤマバイケイソウ○、クモイリンドウ蕾/(板垣新道)チシマクモマグサ○

 写真:クモイリンドウ蕾(緑岳山頂周辺7/31)

緑岳花畑

 第2花畑先の雪渓、もう消えたかと思っていたらまだ残っていました。10mくらいのが2ヶ所、エイコの沢付近にも3m。6月の暑さに比べ7月は低温傾向で、雪解けのペースが落ちたのか。第1花畑にも50mくらい残っていますが、こちらは例年8月まで残る雪渓です。
 第2花畑入り口看板付近はチングルマが開花し花畑らしくなりました。ただ先日の強雨に打たれて痛んでいる花びらもあり、花畑全体には咲いているけれど少々まばらな印象。花芽が少ない気がします。そして第2花畑といえばやはりアオノツガザクラの大群落。一部の群落が開花していますが、他大部分はまだ蕾もしくは雪渓の下に。おかげで8月中頃までお花見が楽しめそう。

 *開花状況*
 (第1花畑)チングルマ↓~綿毛、ヨツバシオガマ、ミヤマリンドウ、エゾコザクラ/(第2花畑)チングルマ○、エゾコザクラ、アオノツガザクラ蕾~開花/(ガレ場~山頂)チシマツガザクラ↑、イワブクロ↓、チシマギキョウ○、クモイリンドウ蕾

 写真:第2花畑のチングルマ(7/30)

ウラとオモテがある

 蝶にもウラとオモテがあるのです。
 翅を閉じてとまっているときは白灰色に黒い斑紋。ところがその翅を広げると、表はこんなに鮮やかな瑠璃色をしています。シジミのように小さく身軽な舞いに、あれ?今何か横切った?それで名前もカラフトルリシジミといいます。
 北海道に生息する5種の高山蝶のうちのひとつで、かの有名なウスバキチョウと同じように天然記念物に指定されています(*5種のうち4種が指定)。一年目は幼虫で越冬し、翌年成虫になります。
 (翅全体が青いのはオスだけで、メスは茶色の部分が多い。)

 写真:カラフトルリシジミ(オス)
    (雲ノ平7/27)

五色ヶ原の花畑

 道のりの長さも忘れるくらい。
 7月上旬まで大きな雪渓があった五色ヶ原の中腹部。今やエゾコザクラとチングルマ、エゾノツガザクラのお花畑に変身し、昨日も登山者の賞賛を一身に受けておりました。そしてそれだけではアリマセン。
 チシマザサとハイマツを抜け、五色岳の天辺が目前にせまる五色ヶ原上部では、チシマノキンバイソウが花盛期。見渡せば登山道からずっと離れた遠くにも。路もなく、人が踏み入ることもないその場所は、曇り空にも関わらず光が射したように明るい黄色の帯のようでした。

 *開花状況*
 (沼の原湿原)ワタスゲ綿毛、ツルコケモモ、ホソバノキソチドリ、ミヤマリンドウ、タチギボウシ蕾/(五色ヶ原中腹)チングルマ○~↓、エゾコザクラ○、エゾノツガザクラ↑~↓、アオノツガザクラ蕾↑、ミヤマリンドウ、トカチフウロ○、ヨツバシオガマ○/(五色ヶ原上部~山頂)チシマノキンバイソウ○、トカチフウロ○、ヨツバシオガマ↑、チングルマ↓、エゾウサギギク、ミヤマオグルマ、ハクサンボウフウ

 写真:チシマノキンバイソウ
    (五色ヶ原7/26)