たすきを拡大

2007年9月5日 (その2)

 
 そしてこれが制作途中のたすきです。まだ4分の1くらい。それでもガレ場上部の登山道から見ると随分赤くなったなあと感じます。
 今日はガレ場から山頂周辺はかなりの強風。仁王立ちもままならず、しゃがんで撮影。

 写真:ガレ場より(9/5)
  奥は高根ヶ原。ポン白雲岳周辺の高根ヶ原はナナカマド紅葉が見頃。

くもの知らせ

 秋の高い空に浮かんだ美しくも怪しげな雲はやはり天気の変化を告げていました。今日の層雲峡は雨が降ったり止んだり。風に裏返る葉っぱがわさわさと揺れています。山頂はいっそう激しい風雨に見舞われていることは容易に想像できます。
 これからは一日一日と紅葉が進み、初氷そしてやがては初雪の便りも届くでしょう。山の天気は変わりやすく、登山の際は十分な装備に加えて天気を知ることが必要不可欠。特に低気圧が接近するときなどは様々な雲が現れ、雲の流れ方や形の変化、風、湿度などで今後の天気をある程度予測することが出来ます。このように自然の出来事から天気を読むことを観天望気といいます。

 お天気ことわざ~大雪山の巻
 「朝方露のあるときは天気よく、無い時は曇または雨」
 「旭岳の噴煙が北西になびいている時は晴れ」

 写真:烏帽子岳の上に現れた巻雲(9/2)
    (紅葉はウラシマウツツジ)

銀泉台

 銀泉台斜面を含め赤岳コースは全般に昨年より5日くらい早く紅葉がすすんでいます!(今日現在)
 昨日の雲ノ平やお鉢平の様子ではまだ緑色という感じだったので、少し驚きました。確かに銀泉台斜面に色付きの兆しが見えたのは昨年よりも早かったのですが。やはり兆しからが早かった!第1花園斜面は現在2~3割程度の色付きです。第3、第4雪渓は特出して赤いナナカマドが何本かあり、それが目立ってはいましたが、全体としてはまだ緑色優勢。

 写真:第1花園斜面(9/2)

緑岳

2007年9月2日(その2)

 緑岳第1花畑に上がると、いつも正面にはドーンと緑岳が鎮座しています。(もちろん霧雲で見えない日もありますが。)その緑岳に今日は少し変化がありました。緑岳のガレ場にたすきのように流れる谷筋のウラジロナナカマド、上部に赤いしみのような斑点がひとつ。そして中腹部にもうっすらほんわりと橙色をのせたような色が出てきました。毎日フィールドスコープでヒグマ観察と巡視をしているヒグマ情報センタースタッフ曰く、緑岳も変化が出てからが早かったと。(彼らは緑岳の斜面を毎日見ています!)
 緑岳の山頂に登ると、ポン白雲岳周辺の高根ヶ原のナナカマドが紅葉していたのでまたビックリ。ウラシマツツジが赤いのかと思い双眼鏡で覗くとナナカマドでした。なぜかここだけ紅葉風景。比べて白雲小屋周辺や白雲岳山頂からの後旭岳方面はまださっぱり。
 今日の白雲小屋の最低気温は5.5℃。日射はサンサン。紅葉するには8℃以下の低温、そして十分な光と適度な湿度が必要。ひとまず今日のところは気温と光はクリアです。

 写真:緑岳ガレ場より高根ヶ原方面を望む(9/2)

混沌から始まる

 黒岳石室からポン黒岳を振り返ると、岩ばかりの斜面に紅葉したウラシマツツジの赤いパッチワークが出来上がっていました。現在色付きは7~8割ぐらいでしょうか。(ウラシマツツジ/ポン黒岳)
 そしてウラジロナナカマドの紅葉の行方ですが、お鉢平方面の稜線、一見緑色の景色に変わりはないのですが、全体的に「冴えない緑」になって紅葉の前準備段階に入ってきた模様。黒岳石室周辺や雲ノ平では、一部色付きの変化が見られます。緑色が抜けて他の色を混ぜたような混沌とした色。紅葉はこの「混沌」から始まります。この状態になると天候等の条件次第では数日で赤くなることもあるので油断はデキマセン。参考までに昨年の雲ノ平周辺のナナカマド紅葉は9月12~15日頃がピークでした。今のところすすみ具合は昨年とだいたい同じくらいのペースのようです。
 予報では来週明けから曇りや雨のはっきりしない天気が続くとのこと。朝晩の冷え込みが期待できないと紅葉のすすみも一時ストップとなってしまうのか?それでもあと1週間もすればいくらかは色付いているのかなとも思うのですが・・。嗚呼、予想も混沌。

 写真:雲ノ平(9/1)