(3)伸びる

 北鎮岳周辺は風の通り道。
 おかげでこんなに立派な樹氷ができました。
 ここでは「エビ」も成長すると「伊勢海老のしっぽ」になるようです。
 ちなみにこの大きな樹氷の塊りは登山道の標識。

 【樹氷】過冷却(0℃以下になっても凍っていない状態)した霧や雲の水滴が、樹木や地物に次々と衝突して、瞬間的に凍結することでできる氷粒の集まり。風上に向かって成長し、尾びれ状の形になることから、「エビのしっぽ」ともいわれます。

 写真:「伊勢海老のしっぽ」(北鎮岳分岐12/26)
    しっぽの伸びる方向で風向きがわかります。
    風は写真の右から左に向かって吹いています。

(1)飛ばす

 冬の間、偏西風の風下にあたる黒岳東斜面には大量の雪が積もり、とくに新雪が降った後などはスノーシューを履いていても腰まで埋まるほどの吹き溜まりになることがあります。ところが山頂はというと、強風が雪を吹き飛ばしてしまうため、冬でもほとんど雪は積もりません。地面が露わになっているところもあります。保温材の役目をしてくれる雪が少ないため、植物にとっては過酷な環境です。その為、植物はマット状に葉を密生させたり、ワックス状の物質で葉の表面を厚く保護したりと、あの手この手の工夫で乾燥や寒さから身を守っています。

 写真:黒岳山頂周辺(12/26)
    7月、コマクサの群生が見られます。

霜華

 
 師走24日目。今日は満月です。
 昨日の月夜が素敵なプレゼントを置いていってくれました。
 窓ガラスについた霜の花。まるで白い鳥の羽根を一面に敷き詰めたよう。

 【霜】空気中の水蒸気が0℃以下に冷えた地物などに
    付着し、結晶状に凍りつく現象。

    写真:窓霜(12/24)

  
   師走20日目。
   ツリーの天辺にはやっぱり
   「星」ガラス。

       ~黒岳バージョン

 写真:ホシガラス/星鴉
    名前のとおり、夜空のような黒褐色
    のからだに星をちりばめた様な白斑
    が美しい。高山のハイマツ林や亜高
    山の針葉樹林などで見られる。
          (黒岳・12/20)

穴が開いた

 散歩コースの途中にあるトドマツの洞にモモンガが棲んでいる。けれどまだお目にかかったことはナイ。ナイけれど、晴れた夜の翌朝はとくに、食べ散らかしたトドマツの葉っぱやハルニレの冬芽がたくさん落ちているので、今日も元気に暮らしているのだろうと。ところがいつの間にか穴が増えていたのだ。モモンガの洞のすぐ下にキツツキが開けた穴がぽっかりと。
 モモンガはどうしただろう?食べ散らかした葉っぱがまた落ちているといいのだけれど。

  写真:洞の割れ目に齧った痕がある。
     モモンガが手直しをしたらしい。
     右下はキツツキの穴。