黒岳は1984メートル

 四方の雪に跳ね返された日差しがギラギラと眩しく、この風さえなければ「春ですねぇ」とつい言ってしまうところです。朝から風が強く、雪煙に巻かれた黒岳の上を雲がごうごうと流れていきます。今日の最高気温は0℃。おしいところで今日もプラスには至らず。
 さて先日、国土地理院が道内の三角点約1万5千ヶ所の標高の改定(5月1日より改定)を発表し、それにより旭岳は65センチ高くなりました。四捨五入で1メートル。これからは2291メートルです。黒岳はというと、今のところ増減はなく1984メートルです。

 写真:黒岳(5合目より 3/8)

石垣山

 桟の上をこそっとテントウムシが歩いていました。暦を見てそうか明日は啓蟄だと気付き、外に出るとダイヤモンドダストが舞っていました。
 
 日曜日の観察会で石垣山を訪れました。名前のとおり、山頂付近には約100~200万年前の溶岩の露頭が石垣を積んだようにそびえています。その昔、石狩川探検の途中に間宮林蔵が立ち寄ったとも言われており、そのときに野宿したという岩穴が登山道近くの岩壁に残っています。
 麓の森は樹の種類も豊富で、冬芽の観察には格好の場所です。頭上では、もうハルニレやオヒョウの花芽がぷくっと丸く膨らんでいました。キタコブシやホオノキも多く、5月はお花見が楽しみです。今週は春が少しこちら寄りになりそうです。

 写真:石垣山(3/2)

さくらの花を

 今朝、木立のどこかで、ツツピーツツピーとシジュウカラが囀っていました。凍った水面に一滴の雫が落ちるような歌声でした。
 来月は卒業式の季節です。午前中、小学校の子供たちがセンターにやって来て、折り紙で桜やタンポポの花を作っていきました。卒業式に教室の前をその花で飾るのだそうです。ちょうどお昼になる頃、テーブルの上は青やピンクやオレンジの桜の花でいっぱいになりました。

 写真:「横向きゴジュウカラのおしり」
    どんな体勢もお手の物。頭を下に向けて
    ツイツイツイと幹を歩いて下りることが
    できるのはゴジュウカラだけなんですって。

きのめだよ


 


    「早ク、春ガ、来ナイカナア」

        首をなが~くして待ってます。



 

      写真:イタヤカエデの冬芽

ブロッケンが出た!

(*つづきのつづき)
 さて帰ろうかと黒岳を降りようとしたそのとき、雲海の中に虹色の輪がぼんやり浮かんでいるのが見えました。これはもしや・・と虹色のワッカを睨んでいると、光の輪の下の方からヌゥ~っと黒い三角の影が伸び上がってきました。黒岳のブロッケンだ!
 ブロッケン現象は聞いたことがある人も多いと思いますが、特に山などの稜線を歩いているとき、雲や霧が眼下にあると、そこに自分の影が映り、影の周りに虹色の光の輪ができてみえるというものです。ちょうどこのとき黒岳の後ろ側に太陽が回って、雲海をスクリーンにして黒岳の影が映し出されたのです。
 如来様かはたまた妖怪か。光の輪に包まれた黒岳の影はやがて霧の中に紛れてわからなくなってしまいました。

 写真:黒岳のブロッケン(山頂より 2/19)