紅葉谷

久しぶりに紅葉谷へ行ってきました。花々の様子はすっかり様変わりし、夏の終わりの趣でした。

層雲峡温泉街から紅葉谷へ向かう道沿いではクサノオウ、ツユクサ、キツリフネ、イケマ、イヌタデ、ヨツバヒヨドリ、ハンゴンソウなどが開花しており、紅葉谷の東屋周辺ではナミキソウが小群落を形成していました。

紅葉谷ではキツネノボタン、サラシナショウマ、ミヤマタニタデ、ホザキナナカマド、コモチミミコウモリ、エゾクロクモソウ、オククルマムグラ、ダイモンジソウ、ノリウツギ、エゾアジサイなどが咲いていました。
本当に小さくて見逃してしまいそうな花も多いですが、ゆっくり歩きながら多種多様な花々をお楽しみください。

写真:ノリウツギ、エゾアジサイ(紅葉谷)8/4

沼ノ原

 8月に入ってもスッキリしない天気が続いている層雲峡です。本日は沼ノ原登山道を大沼まで往復してきました。

 駐車場に入るとすぐ、クチャンベツ登山口の案内板にヒグマのマーキング跡を見つけました。ずいぶん派手に引っ搔いたり背擦りをしたようです。ここがクマの生活圏であることをしっかりと意識して、音を出しながら周囲に気を配って歩いてください。

 さて、ここ数年利用されていた川沿いのルートが、6月末の大雨で橋が流失して使えなくなりました。以前のように、クチャンベツ川右岸沿いに付けられた高巻道を登り降りしてニシキ沢を左岸に渡渉する登山道に切り替えられています。今日は水量も少なく、一歩で渡れるほどの川幅でした。
 しばらく歩くと急な登りになりますが、水流によって登山道の侵食が進んでいます。「落石注意」のピクトサインの周辺は、後続の登山者がいるときは、落石を起こさぬよう、注意して上り下りしてください。

 沼ノ原湿原では、タチギボウシやエゾオヤマリンドウが紫の花をつけています。本日は霧のため視界が悪く、トムラウシ山は見えませんでしたが、モウセンゴケとナガバノモウセンゴケのちがいを見分けたりしながら植物を観察するにはいい時季です。晴れていれば、トンボも池塘の上を飛び交っています。

写真 ニシキ沢渡渉点 沼ノ原湿原 8/3

注意喚起

白雲小屋周辺を徘徊しているヒグマに注意

以下は白雲岳避難小屋からの情報提供です。

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7月27日から白雲岳野営指定地付近にヒグマが出没しています。
8月1日、2日(8:30分現在)同箇所で同じ個体と思われるヒグマが採餌しています。
テント場から10m程度の場所での採餌もあるため、テント場利用者には、ヒグマが居る場合は小屋への変更を提示しています。
登山者の声や姿にも全く反応せず、悠々と餌を食べているため、登山者が気が付かない場合、至近距離での遭遇となる可能性もあります。
8月1日は付近に別のヒグマ1頭も確認されています。
27日には高原温泉高根ヶ原斜面に10頭のヒグマが確認されていますので、この近辺は十数頭のヒグマが生活圏にしていると思われます。
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7月27日の当欄でも指摘しましたが、こういう個体に対しては、とにかくヒトの側が注意するしかありません。見通しのよい稜線上では常に周辺を見渡すようにし、見通しの悪いハイマツ帯では手拍子やホイッスルなどで意識して音を立てながらゆっくり歩くことを心がけてください。トレイルランのような登山道上を走る行為はリスクを高めますので、なさらないようにお願いします。

センターだよりが発刊されました

センターだより8月(110)号が発刊されました。
今号の表紙は「雲ノ平周辺のチングルマ群落」です。
その他、「もっと知りたい!層雲峡」「大雪山ベビーラッシュ!?」
「この花の名前は?」などが載っています。

センターだよりは、ビジターセンターHPから閲覧することができます。
ぜひ、ご一読ください。

〈お知らせ〉
『環境省 アクティブ・レンジャー写真展 北の自然の舞台裏 2022-2023』が
8月3日から8月31日まで、当センターのレクチャー室にて展示されます。
アクティブ・レンジャーの皆さんが撮影した”とっておきの瞬間”やお仕事の様子を
写真で紹介します。ぜひ、ご覧ください。


写真:センターだより110号表紙 7/31

注意喚起

 今月21日から雲ノ平周辺で親子グマの目撃情報が毎日寄せられています。この親子は、白水川源流部の凌雲沢と赤石川源流部を行き来しており、ちょうど通り道にあたる雲ノ平で登山者との比較的近距離での遭遇が起きています。

 本日は、お鉢平展望にいた登山者15人ほどが、近くにいた親子グマのために登山道を通れず、クマが藪に入ったときに、折を見て通過したようです。この時、大きな音で笛を吹く登山者もいて、双眼鏡で監視していた林野庁のGSスタッフは「クマを刺激しないか気になった」ということです。

 クマが近くにいるかいないか不明なときは、笛などの鳴り物で音を出し、ヒグマに対してこちらの存在を教えてあげる行為は有効ですが、クマがこちらの存在に気づいている場合、大きな音を出すのは、クマを刺激する可能性があるので、避けた方が無難です。
 いずれにせよ、登山者側はクマが近くにいることを常に想定し、クマがいた場合は、刺激せずに距離をあけることを心がけてください。可能であれば、ルートを変更するなどして、雲ノ平周辺を避けるようにしてください。