三笠新道

 今朝の『北海道新聞』朝刊に、高根ケ原付近での滑落事故の記事が載っていました。
残雪期である六月から七月上旬にかけては、道迷いとともに滑落事故も多い時期です。

 スキー場の中上級者コース(斜度20~30度)程度の斜面でも、滑落して立ち木や岩にぶつかれば大ケガをします。コースによっては、アイゼンやピッケルの携行も考慮に入れてください。各地で山開きのイベントが行われていますが、大雪山はまだ夏ではありませんので、そのつもりで入山願います。

写真:三笠新道 6月20日
  • 滑落には十分注意してください。

緑岳第二花畑

 山はさらに雪解けが進み、緑岳第二花畑でも木道が一部露出してきました。だからといって道迷いの可能性が少なくなったというわけではありません。写真を見ていただくと分かるとおり、杭の頭が出ているところが夏道です。

 しかしその痕跡も少し歩くとなくなり、だだっ広い雪原が広がります。足跡をたどっていけば大丈夫だろうといういうのは甘い考えです。
 もう一枚の写真を見ていただくと、足跡が二列あるのが分かると思います。まっすぐ直進しているものと、左方向から戻ってくる足跡です。実は左の足跡は、間違った方向へ進んでしまったのに気づいて戻ってきた足跡です。慣れた人であれば、すぐに判別がつくのですが、この場所が初めてだったり、慣れていない登山者は、騙されて間違った方向へ誘導される可能性があります。

 こういう天気のときは、常にコンパスやGPSで方角を確認しながら進むのが登山の常道です。毎年繰り返しになりますが、年間を通じてもっとも道迷いの起こりやすいのがこの時期です。初心者だけでの入山は止めていただくよう、お願いいたします。

写真:緑岳第二花畑 緑岳第二花畑上部 6/20
  • 道迷いに注意

白雲岳避難小屋周辺

 白雲岳避難小屋は本日より管理人が入ります。すでにテントサイトは露出しており、テントが張られておりました。水場も使えるようになっています。

写真:白雲岳避難小屋テントサイト 白雲岳避難小屋水場 6/20
  • ほぼ雪はありません。

  • 水場

黒岳北東斜面

 日増しに雪どけが進んでいますが、七合目から八合目は部分的に登山道が露出していますが、未だ全面雪と言ってもよいでしょう。

 八合目標柱を過ぎると、40m、30mと大きな雪渓が二ヶ所、九合目標柱を過ぎて6m、頂上直下に20mの雪渓が残っています。(頂上直下は20mと長いですが、雪の上を歩くことはありません。)

 まだまだ油断はできませんが、気温の上昇とともに「踏み抜き」箇所が増えてきており、これからは「滑落」にも十分な注意が必要ですが、本日は踏み抜きに随分と気を使いました。

 お花の開花は相変わらず「スローペース」です。
頂上から石室にかけて、キバナシャクナゲ、ミネズオウ、ウラシマツツジがやや目立ってきた程度で、群落を形成するイワウメは本日ようやく開花した状況です。

写真:黒岳九合目周辺・ポン黒岳のミネズオウとキバナシャクナゲ 6/18
  • 黒岳 : 登山道は悪路となっています。

  • ミネズオウ : 開花してきましたが、蕾もまだまだたくさんあります。

沼ノ原

「沼の原」の大沼まで行ってきました。

残雪は例年に比べると少ないですが、
登山道上の残雪の踏み抜きや、
標高1250m付近の急登の登山道は落石に要注意。

沼の原では、木道がすべて現れており、
ミズバショウが咲きはじめています。
木道からの視線を低くすると、
ツルコケモモやチングルマもつぼみをつけはじめていました。

沼の原までは、例年より雪解けが早いようですが、
ここから先の五色岳方面の登山は、まだ残雪があるため、ルートファインディングが必要となります。
特に視界不良時は道に迷いやすくなりますので、
登山は、雪解け後まで待った方がよいでしょう。

大沼からの下山時には、
トムラウシの頂上や石狩岳にかかっていた雲もとれ、
全貌を眺められました。

午後からの雷雨を避け、早朝に出発しましたが、
予測通り、
下山数時間後には、青空は消え、
厚い灰色の雲が集まり、そして雨に。

不安定な天気の最近。
登山される方は、午後からの雷雨にも気を付けて、
行動したほうがよさそうです。  

写真:沼の原よりトムラウシ 6/16
   沼の原より石狩連峰  6/16
  • 沼ノ原 : 時間にゆとりを持って安全な山行をお願いします。

  • 道迷いに注意