キツネの親子

キツネの親子が森の中から出てきました。姿を見せたのは、母ギツネと仔ギツネ4匹、お父さんキツネは森の高い場所から「監視」をしていました。仔ギツネだけでじゃれあって遊んでいましたが、そこに母ギツネが現れ、一匹ずつ丁寧になめてあげていました。この仔ギツネは生後約1ヶ月ほど経過していると思われますが、狩りの練習が済んでいるのか、4匹ともにジャンプをしながら獲物を捕らえる仕草をしていました。近づくとやはりそこは野生、すぐに逃げてしまいますが、こちらの動きも雄親は目を離さずみているようで、「ハン」という甲高い声を雄親が出すと、雌親と仔ギツネは一目散に森の中へ退散していきました。秋にはこの仔ギツネも独立して単独で狩りをしなければなりませんが、それまでにたくさん食べて大きくなって厳しい冬を乗り越えて欲しいものです。

写真:仔ギツネ 5/23

エゾエンゴサクがいい感じです

エゾエンゴサクが徐々に拡がりを見せてくれています。春!と声高に言えないほど、まだまだ寒さが残りますが、お花たちも一斉にとはいかないようです。そのような中、カツラやシウリザクラ、ダケカンバの新芽も芽吹き始め、赤や黄、緑など「春紅葉」と呼ばれる光景に近づいてきました。

写真:エゾエンゴサク 上川町 5/22

稀に見られます part2

写真は「コアカゲラ」。アカゲラやオオアカゲラはよく目にしますが・・・。大きな違いはアカゲラやオオアカゲラよりも、ずっと小さいことです。コアカゲラは約15cm、アカゲラは約25cm、オオアカゲラは約30cm。また、アカゲラ・オオアカゲラの腹以下は赤味がありますが、コアカゲラにはそれがなく白色です。繁殖期には「キッー、キッ、キッ、キッ」と鋭く鳴きますが、アカゲラに似て「キョッ キョッ」とも鳴きますが、比較すると声量がかなり乏しい「キョッ」、う~ん「アカゲラ」とは違うな~とすぐわかるほどです。

写真:コアカゲラ雄 5/22

見事なオレンジ色です

森の中で会うと「ドキッ」とするほど美しい野鳥です。鳴き声も、森の中の「ピッコロ奏者」。何とも複雑で綺麗な鳴き声です。しかし、中々の気の強さ。雄同士のなわばり争いが激しく、何度か目撃しましたが、くちばしをパチパチ鳴らしたり、スズメバチに似たブーンという羽音を出して追い回したり、極めつけは地上に落下した後も「もみあい」までします。巣の近くでは、雌もこの争いに参加するというから驚きです。しかし、鮮やかな色の野鳥です。

写真:キビタキ雄 5/22

センター講座が行われました

12日に「大雪山麓を歩く 九十九沢源流域」、19日に「陸万・清川 春のバードウォッチング」が行われました。九十九沢は全長約2kmで、黒岳七合目の標高1600mが源流域となっており、今回はその場所に至るまで、ナキウサギの生息地等を歩きながら、黒岳周辺の生物多様性について学ぶ講座でした。この源流域付近から見る黒岳は、この時期ならではの、冬期間のみしか行くことができない、そして、普段見られない角度での黒岳を真正面に見ることができるスポットです。また、野鳥観察では「コルリ」や「オオルリ」「アカハラ」や「ミソサザイ」など多くの野鳥の観察が行われました。この講座は「鳥類標識員」の方が同行し、普段の観察方法とは違った視点での講座となります。興味のある方は来年是非ご参加下さい。

写真:黒岳七合目付近のエゾユキウサギの食痕 5/12