黄色の稜線

 風が吹きつける砂礫地という、高山帯のなかでもいちばん厳しい環境に根をおろし、季節の一瞬を指先ほどの小さな花でいっぱいにするタカネスミレ。お鉢平の間宮岳から松田岳にかけての大群落が壮観です。
 黒岳山頂やお鉢平でイワブクロが咲き始め、山にも夏がきたと感じる一方、斜面を変えればリュウキンカが雪解け水を受け今が春と満開に咲いていたり。偶然の環境に置かれたそれぞれが、必然の理由で根を下ろし、さらにそこには複数の季節が隣り合っています。一見何気なくされど。

 *雪渓*
 (赤石川)雪渓は落ち蛇カゴを渡ります。昨日はやや蛇カゴの上に水が被る状態でした。防水のきく登山靴とスパッツで対応。/(北海沢周辺)雪渓大きく残るが紅ガラの目印あり/(北鎮岳肩)雪渓100m程度。斜面は急でストックがあると安心/(黒岳斜面)7~8合目に数mの雪渓が数ヶ所。小さいけれど転倒注意

 *開花状況*
 (黒岳9合目)ウコンウツギ○、ハクサンチドリ↑、ミヤマキンポウゲ↑、チシマノキンバイソウ蕾~開花、エゾノハクサンイチゲ/(山頂)イワブクロ蕾~開花、コマクサ↑、タカネスミレ、イワヒゲ/(雲ノ平)キバナシャクナゲ○、チングルマ↑、エゾノツガザクラ○/(お鉢平周り)タカネスミレ○、クモマユキノシタ↑、チシマクモマグサ↑、イワブクロ↑/(北海沢)ジムカデ○、エゾコザクラ○、エゾノツガザクラ↑、チングルマ

 写真:タカネスミレ(松田岳周辺7/8)
    後方はトムラウシ