再生

 裏のシナノキが雪の重みで倒れ、林道を塞いでしまいました。嗚呼ついに倒れたか~と横たわる幹を潜り抜けると、キノコの硬い笠が頬をこすりました。
 その木にはもうずっと以前からサルノコシカケ(の仲間)が生えていて、キノコに摂りつかれてしまった幹は傍目から見てもぼそぼそと元気がありませんでした。キノコには木材腐朽菌と呼ばれるグループがあり、枯れた木や生きた木を腐らせます。サルノコシカケと総称される硬いキノコの仲間や椎茸、ナメコなどはそのグループです。
 春になって野山に出かけると、倒木や大きく折れた枝をよく目にします。それが馴染みの木だったりすると、とても寂しく思うのですが、年老いて弱った木が菌類によって分解され、こうして朽ちていくのは新しい森を再生する上でとても大切なシステムです。もし分解してくれる菌類がいなければ・・・。想像してみて下さい。数多の遺骸で溢れた世界を・・・。

 写真:シナノキについたサルノコシカケの
仲間 (11/17)