赤岳のようす

 赤岳コースでは雪解けが随分と進み、登山道上を覆っている雪渓は第2花園(約60m)と奥の平(約6m、7m)を残すのみとなってきました。そして雪解けが進んだ雪渓の縁沿いからは鮮やかな高山植物の花々が咲いてきています。コース上で登山者の目を特に惹いていた花は第2花園のチングルマ、コマクサ平のコマクサ、第3雪渓のエゾヒメクワガタなどの群落でした。そして赤岳山頂周辺ではホソバウルップソウに変わりタカネスミレの群落が広がりを見せてきています。

 【開花状況】
(第一花園)エゾイソツツジ○、ウコンウツギ○/(第二花園)チングルマ○、エゾノツガザクラ○/(コマクサ平)コマクサ○、イワブクロ↑/(第三雪渓)エゾヒメクワガタ○、アオノツガザクラ○/(第四雪渓)エゾノツガザクラ○、アオノツガザクラ○、エゾノハクサンイチゲ↓/(赤岳山頂)イワウメ↓、ホソバウルップソウ↓、チョウノスケソウ○、タカネスミレ○、キバナシオガマ○、イワヒゲ○

 写真:第四雪渓(7/1)

ニセイカウシュッペ

 今日は観察講座でニセイカウシュッペ山へ。
 ニセイは表大雪山系よりも生い立ちが古く、高山植物の種類数の豊富さに加え、独特な植物相が見られることでも知られています。じつは、これまで機会がなく、この時季のニセイにはあまり行ったことがなかったのですが、遅ればせながらあらためて‘花の山’を実感しました。
 五色ヶ原では、乾燥化によるチシマザサの進行で、年々エゾノハクサンイチゲやチシマノキンバイソウ群落が小規模になりつつあります。また黒岳8合目上部の通称‘花畑’でもその傾向が見られます。
 今日、ニセイの広大な斜面に広がるエゾノハクサンイチゲの群落を見下ろしながら、数年後、ここにどんな景色が広がっているのかと想像していました。

 写真:大槍(右端)と小槍(左端)
    奥は表大雪

クロユリ

 黒岳でクロユリが開花しています。9合目から山頂直下にかけての登山道沿いで見られます。9合目では他にもチシマノキンバイソウやウコンウツギなどが咲き始め、来週はもっと良くなりそうです。
 ところで、面白いものです。この早い雪解けに、開花はどうなるのかと観察を続けてきましたが、エゾノハクサンイチゲ、チシマノキンバイソウ、ウコンウツギなどはほぼ例年並の咲き出し。開花には、雪解けの早さだけでは決まらない様々な要因が働いているようです。植物の種類や環境などによって、そのタイミングもまた異なるようです。

【開花状況】
(9合目)エゾノハクサンイチゲ○、クロユリ○、ハクサンチドリ○、チシマノキンバイソウ↑、ウコンウツギ↑、カラマツソウ↑/(山頂)タカネスミレ蕾~開花、メアカンキンバイ○/(ポン黒岳)イワウメ○、エゾノツガザクラ↑/(石室~北海沢周辺)キバナシャクナゲ○、エゾコザクラ○、チングルマ○、エゾノツガザクラ○

 【赤石川】
 水量が減り、蛇カゴが出ています。北海沢は橋が一部出てきましたが、まだ沢は雪渓に覆われています。

 写真:クロユリ(黒岳山頂直下・7/2)

日本出現!

 雪形の新名所です。赤岳第三雪渓に日本地図現る!
 どうです?期間限定ですよ~。
 それにしても第三雪渓、この時期にしてこの痩せかた。いやはや驚きです。
 銀泉台第一花園の雪渓は5つに分れています。大きいものでも40m。それ以外は10~20mと小さくなりました。ただ時間帯によっては、雪渓がしまって固くなっているので、下りは注意。第二花園は、緩斜面に140メートルの雪渓が残っていますが、ルート旗が置いてあります。第四雪渓も登り口に小さく残るのみで、急登部分の雪渓は登山道から全て後退しました。もちろん安全管理は必要ですが、赤岳コースの雪渓はほぼ問題なしといえそう。
 写真:赤岳第三雪渓(7/1)
    「あともう少しで四国完成」

花フェスタin小泉平

(その2)

 赤岳山頂から小泉平にかけてエゾオヤマノエンドウ、イワウメ、キバナシャクナゲ、ホソバウルップソウが見頃です。小泉岳稜線の色彩が最も華やぐ季節がやってきました。とくに今年はエゾオヤマノエンドウの濃紫色が目を引きます。チョウノスケソウは1つだけ開花していました。開きかけが2つ3つ。あとは、まだ蕾でした。来週には咲きそろいそうです。

 【開花状況】
(第一花園)チングルマ↑、エゾコザクラ↑、ミヤマキンバイ↑/(第二花園・遠目に)エゾノツガザクラ○、チングルマ○/(コマクサ平)コマクサ○/(第三雪渓)アオノツガザクラぱらぱら、エゾノツガザクラ↑/(第四雪渓)エゾノハクサンイチゲ○、キバナシャクナゲ○/(赤岳山頂~小泉平)イワウメ○、ホソバウルップソウ○、エゾオヤマノエンドウ○、タカネスミレ蕾~開花、エゾタカネツメクサ蕾~開花、チョウノスケソウ蕾

 写真:小泉平(7/1)