赤岳の登山道

 雪渓が後退し登山道が徐々に現れるようになると、雪渓上のトレースを軌道修正するための作業が重要になってきます。昨日も赤岳登山事務所のパトロールの方がルート旗の位置を変えたり、ロープを張ったりと慎重に作業を行っていました。
 「雪解け→雪渓上のトレースと本来の登山道がずれてくる→登山者:そのまま進んで登山道に出ようとする→植生帯に別の踏み跡ができる」このように、登山道が複線化する原因のひとつが雪解け時期に伴うもの(登山道に流れ込む雪解け水を避けての踏み跡も含めて)。
 「汚れるし歩きづらいから」「戻るのは面倒だから」
 けれどいったん痛んでしまった植生は、洗濯すればすぐ綺麗になるというような簡単なものではありませんし、もちろん人間のように自由に動くこともできないんですよね。

 *雪渓*
 (第1花園)看板付近に20m。その先に3mくらい小さく残る/(第2花園)100m程。斜面全体に大きく残り、固く滑りやすいので要注意/(奥ノ平)30m/(第3雪渓)15m/(第4雪渓)2つに分かれ20mずつ

 *開花状況*
 (第2花園)エゾコザクラ↑、チングルマ↑/(コマクサ平)コマクサ○、イワブクロ○/(第3~4雪渓間)エゾコザクラ↑、チングルマ↑、キバナシャクナゲ○、エゾノハクサンイチゲ、アオノツガザクラ蕾/(山頂)エゾツツジ↑、キバナシオガマ○、チシマキンレイカ、コマクサ○、エゾタカネツメクサ○、イワヒゲ、タカネスミレ↓

 写真:第2花園の雪渓(7/17)
    例年8月上旬頃まで残ります。