ヤナギの勘違い

 太陽が昇ってしばらくすると、鳥たちがやって来て木々に積もった雪をふり落としていきます。その柳の枝先を見ると、ほころびた冬芽から銀色の絹毛がポンポンと顔を出していました。
 いくら早春から芽吹く柳の種類とはいえ、褐色の冬芽が割れて、中から絹毛が覗き始めるのは普通3月、4月頃からです(上川近郊)。2月末頃でも日中暖かくなると、せっかちな絹毛姿を見かけることがありますが、今はさすがに季節外れ。一定の低温にさらされ、その後に暖かくなると初めて開花する桜のように、「春が来たセンサー」が作動し芽吹いてしまったのでしょうか。それともひとときの陽射しにただ早とちりしてしまったのでしょうか。
 冬はこれから深まるばかりです。すっかり萎れた残り葉が、枝にしがみつき風にブルブル揺れていました。

 写真:エゾノキヌヤナギ(陸万 11/29)