冬眠明け

ビジタセンター前の雪壁も昨日からの雨で随分と解けましたが、裏山にはまだ多くの雪が残っていました。この時期の雪面はかたくスノーシューがなくても気軽に雪の上を歩けるので、特に早朝の散策は疲れも忘れて何キロも歩いてしまうほどです。
 昨日も層雲峡周辺の沢沿いをいつものように歩いていると、遠くの斜面に黒々とした点が延々と続いているのが目についたので、確認のため近づいてみると、遠くから見えた黒い点は、みぞれ交じりの雪面に残された冬眠明けのヒグマの足跡でした。周囲を見渡しながらヒグマがいない事を確認して足幅を測ると15、4cmほどあり、大きさから見てオスの成獣と判断しました。ヒグマは数時間前にこの場所を通過したようで、雪面にはまだ爪痕もはっきりと残るほどの生々しさでした。今年初めてのヒグマの痕跡に多少の緊張感はあるものの、毎年ヒグマの足跡を春の指標のひとつとしていた事もあり、やっと出てきたかと実感しつつ、長居は無用とすぐさまその場を離れ、来た道を戻ることにしました。

*この時期、層雲峡周辺の国道沿いでは、放置されたエゾシカの死骸が多く残されていることから冬眠明けのヒグマが徘徊し、居着く可能性もあるので注意が必要です。

写真:針葉樹林に残されたヒグマの足跡 (4/20)