エゾソカの角研ぎ

雪が降ると動物達の足跡の観察が楽しみになります。木々が葉を落とし、見通しが良くなると気付かなかったものも見えてきます。写真はエゾシカ(雄)が角を研いだ痕で、トドマツの幹にクッキリと付けられていました。先日は、5頭の雌ジカを連れた雄ジカに遭遇し、その風貌に圧倒されました。強い子孫を残すための、成せる行動なのでしょう。角研ぎとは?エゾシカの角は皮膚に包まれて発達し(袋角)、伸び出して中に骨が作られると、最後に皮膚が破れて完成します。その際にシカは角を樹木の幹に当て、こするようにして皮膚を剥ぎ取り、また角の表面を磨きます。これをシカの角研ぎといわれています。一般的に角は、天敵に対する武器として使われるとも考えられていますが、集団での地位の確認や(角の立派さで地位を決めている)、雌や餌場の取り合いなどの場合に、雄同士の威嚇やケンカの武器として使われているようです。

写真:エゾシカの角研ぎ痕 11/17