浮島湿原

浮島湿原はアカエゾマツなどの針葉樹林に囲まれた標高約870mにある湿原で、周囲約3km、大小70以上の沼が点在する山地湿原です。花の時期としては6月~7月下旬という事もあり、この日の湿原コースで見られる花は随分と限られていましたが、長雨の影響なのかエゾノヒツジグサを見るには丁度良いタイミングでした。中にはまだ蕾のものも多かったので、ここ数日はまだ楽しめそうです。

【開花状況】
エゾノヒツジグサ○、トキソウ○、コガネギク○、タチキボウシ○~↓、ホソバノキソチドリ↓、モウセンゴケ、ツルリンドウ

写真:水面に映る雲とタチキボウシ(東大沼周辺の沼 8/8)

緑岳第2花畑

緑岳第2花畑のチングルマが最盛期となりました。第2花畑看板付近からハイマツ帯手前までの約500m間ではチングルマが草地一面に群生していました。今年の第1、第2花畑周辺は冬期間の風向きの関係でかなりの積雪があり、いつまで残雪があるのか予想もつきませんでしたが6月、7月の長雨の影響で雪解けは、随分と進み、ここ5年間と比較してもほぼ平年並みの雪解けとなりました。

【開花状況】
(第1花畑)チングルマ○~↓、ミヤマリンドウ○、エゾコザクラ○、アオノツガザクラ○、ヨツバシオガマ↓、エゾノツガザクラ↓(第2花畑)チングルマ◎、アオノツガザクラ◎、ミヤマキンバイ○、エゾコザクラ○(緑岳山頂直下)チシマギキョウ○

写真:チングルマ群生地 (第2花畑 8/6)

稜線の花

赤岳山頂から小泉平にかけて、少し前までは随分と花盛りだと思っていたのに登ってみると、稜線上の花は少しまばらになっていました。エゾツツジ、イワブクロ、コマクサは少し元気がありませんでしたが、紫色の大きな花をつけたチシマギキョウは遠くからも判るぐらいの存在感でした。稜線に咲く花は下降気味になりますが、雪解けの遅い雪田では、これから花の時期となります。

【開花状況】
(小泉平~白雲岳避難小屋)チシマギキョウ○、タカネツメクサ○、エゾツツジ○~↓、キバナシャクナゲ○、ハクサンイチゲ○、チシマノキンバイソウ○、タカネオミナエシ↓、クモイリンドウ1輪開花

写真:チシマギキョウと白雲岳(小泉平 8/6)

こっちは満開

(その2)

・・と、少々うら淋しい緑岳花畑に対して、ちょうど春と夏が一緒にやってきたかのように彩り豊かだったのは白雲分岐~花の沢間と黒岳赤石川周辺。チングルマとエゾノツガザクラが満開です。キバナシャクナゲも後発組が満開を向かえ、蕾もたくさん。そしてなんと言ってもヨツバシオガマ。きりっと活き活きしていて今が見頃です。
 ここはまだまだお花見が楽しめそうです。今日歩いたコースの中では、花の種類数最多です。

写真:チングルマ群落(赤石川周辺 7/29)

沈黙の春

なんとなく寂しい。いつも心寂しい私ですが、どうも原因はそれだけではないようです。夏の観光シーズン真っ盛りだというのに、駐車場に車が少ない。登山道をあるいている登山者をあまり見かけない。そしてなによりも、気温が低く、雪解けがすすまないために、開花も遅れ気味で花数が少ない。それもこれも、六月からの天候不順が大きな原因?
 花畑として知られる緑岳の第一・第二花畑も、やはり開花は遅れ気味です。第一花畑では、エゾコザクラやエゾノツガザクラ・チングルマが咲き始めて来ていますが、第二花畑上部からエイコの沢を見おろす崖のあたりまでは、20~40mの雪渓が六ヶ所残っています。雪が解けた場所も、アオノツガザクラの黒々とした葉ばかりが目立ち、「沈黙の春」状態。
 エゾコザクラ・エゾノツガザクラ・チングルマが咲きそろい、三役そろい踏みが見られるのは、もう少しさきになりそう。

【雪渓状況】
第一花畑:85m
第二花畑奥~エイコの沢崖:30m、40m、25m、35m、35m、20m

【開花状況】
第一花畑:キバナシャクナゲ↓/ジムカデ○/チングルマ↑/アオノツガザクラ咲き出し↑/ミネズオウ↓/コエゾツガザクラ咲き出し↑/ミヤマキンバイ↑/エゾコザクラ↑
第二花畑:エゾコザクラ咲き出し↑/ミヤマキンバイ咲き出し↑/キバナシャクナゲ↓/アオノツガザクラ咲き出し/チングルマ咲き出し↑
第二花畑上部:エゾコザクラ○/アオノツガザクラ蕾/ミヤマキンバイ咲き出し↑/チングルマ咲き出し↑

写真:エゾノツガザクラ(第一花畑 7/29)
「沈黙」の中のささやかな春