白雲小屋の水場

白雲小屋の水場はスタッフの方の努力によりすでに掘り出されていました。雪面から2メートル以上下にあります。テントサイトは全面雪に覆われ、地面が露出するのは7月に入ってからしばらくかかりそうです。

写真:白雲小屋の水場)6/25

稜線は花盛り

稜線に出てみてビックリしました。登山口から第二花畑にかけては、例年に比べて2週間、場所によっては3週間近く雪解けが遅い印象だったのですが、稜線ではまったく状況が逆転していました。いつもの年だと、七月初旬に見頃を迎えるイワウメの群落がすでに満開になっていました。10日ほど早い印象です。

写真:緑岳山頂付近 6/25

スター登場!

緑岳から稜線を北上してさらにビックリ。ウルップソウが見頃になっている…。いきなりのスター登場です。紫のエゾオヤマノリンドウはすでに見頃を過ぎていました。黄色のミヤマキンバイ、白花のイワウメもあり、百花繚乱の様相です。

写真:ホソバウルップソウ(緑岳稜線)6/25

迷いますよ!

「すみませ~ん!道が判らなくなっちゃったんですけど~」緑岳第二花畑上部を下降中、突然声をかけられました。声の方向を見ると、若い女性が一人こちらへ駆け寄ってきます。どうやら雪の上でルートを見失ったようです。緑岳は第一花畑から第二花畑~エイコの沢上部にかけて、まだ全面的に雪が残っています。しかもその残り具合が微妙で、写真のように茂みが出かかっているので、コンパスで方角を定めてまっすぐ進むこともできず、茂みを避けて雪原を縫うように進むしかありません。今日の時点では雪原にデポ旗(赤旗・マーカー)もないので、ルートを熟知していないと非常に迷いやすい状況です。本日のように晴れていて視界が良くても、雪原上ではルートが判りづらいのですから、ましてや視界の悪い日となると、コンパスやGPSを使いこなせるエキスパートでないと、正確にルートをたどるのは困難になります。ナビゲーション技術は一朝一夕に身に付くものではありませんので、講習などに参加した上で、日頃から地図読みを意識して歩くことが重要です。また、自身のない方は、ガイドや熟達者と一緒に歩くことをお勧めします。

写真:緑岳第二花畑 6/25

クラックやシュルンドに注意!

ことしは例年になく残雪が多いのですが、残雪上の、いままで見かけたことのない場所にクラック(亀裂)が入っているのが気になります。不用意にクラックの谷川に乗ると、雪面が崩壊する場合もありますので十分気をつけてください。また、地温が高くなってきていますので、地面と雪面との間にシュルンドができている場所もあります。左の写真は、エイコの沢ガレ場の取り付き点ですが、上から見ると、写真右のように、雪面の下に空間ができているのが見えます。ストックやピッケルを刺して雪の厚みを測るなどしてから通過してください。

写真:エイコの沢ガレ場取り付き点 6/25