クマタカ

 ペリペリという乾いた音が響いてくる。アカゲラが老いたオニグルミの樹皮を丹念に剥がしては、ご馳走の虫はいないかと探っているのだ。ところが、突然ヒヨドリが凄い剣幕で鳴き叫び、アカゲラは飛び去ってしまった。振り向くと、クマタカの大きな黒い影が頭上からギッと睨んでいる。後頭部の冠羽は風に逆立ち、見開いた黄色い眼は、雪面の動くものすべてを見透かしているようだった。確かに瞬間、気配がピンと張り詰めるのを感じ、私はドキリとした。

 写真:「ワシ掴み」
 
 クマタカ/絶滅危惧種(環境省指定)
     山岳森林帯に生息する大型のタカ。山岳
     森林生態系の頂点に位置する生物である
     ため、森林環境の変化を最も受けやすい。
     クマタカの保護は森林生態系そのものの
     保護にも繋がる。(参考/日本動物大百科)