薄氷

 いつの間に降ったのか、周辺の低山がふわっと雪化粧しています。層雲峡に雪の便りはまだ届きません。
 黒岳6合目の登山道の水溜りに氷が張っていました。薄氷を見ると、ついパリンパリンと割ってみたくなるのですが、思いとどまりました。年輪のような渦模様を描くその端整なラインは、壊してしまうにはあまりにももったいない気がしたのです。
 自然がする仕事というのはどうしてこうも密かに大胆に美しいのでしょう。それは誰に見せようという意図もなく、だからこそいっそう美しく思えるのでしょうか。

 写真:粉雪をのせて(10/28