北鎮岳分岐下雪渓

北鎮岳分岐下の雪渓は、まだ大きく残っていました。

数日前の雨のせいかマーカーは登山道から大きく右にずれており、薄く消えかかっている状態
でしたが、その線に沿って階段状のステップが残っていたため、初めの急傾斜の部分も比較的
安心して登ることができました。しかし、途中からマーカーの線は消えてしまい、ステップも
なくなってしまいました。

そこから、斜面はなだらかになりますが、部分的に氷になっているところも見られました。
特に下りでは、雪面を注視しながらお進みください。

この日の雪は柔らかく、登り下りともヒヤッとすることはありませんでしたが、気温が下がって
雪の表面が硬くなるとアイゼンが必要な状況になるかもしれません。北鎮岳に向かう際には
万全の準備でお願いします。
(*北鎮岳分岐下の雪渓前にはスコップがあります。登りの方は必要に応じてご使用ください。)

北鎮岳分岐下の登山道脇では、エゾタカネスミレの群落が見られました。突然目の前に現れる
きれいな黄色の花たちに心が躍り、疲れも吹き飛ぶこと間違いなしです!



写真:北鎮岳分岐下の雪渓、北鎮分岐下のエゾタカネスミレ 7/10

大雪高原沼

 先月末の大雨でヤンベタップ川に架かる橋が流され、同時に左岸側の登山道が崩落したため通行止めになっている高原温泉沼巡り登山コースのようすを見てきました。

 上の写真のように、流された橋はすでに架けなおされていますが、水流によって洗われ崩落した左岸側(写真の手前側)の法面は現在施工中です。
 下の写真は、パイプの三脚で櫓を組み、チェーンブロックで川の中の大きな石を移動して、法面の保護に使用する石材を集めている作業風景です。きのう(2022年7月9日)は、10個ほどの大石を移動しました。

 ヒグマ情報センターによると「今月下旬のコース再開を目指している」とのことです。タニマスミレが見ごろをむかえるこの時季、沼巡りを楽しみにしている登山者は、今しばらくお待ちください。

写真 大雨で崩落したヤンベタップ川左岸斜面 チェーンブロックによる大石の移動作業(画像提供:ヒグマ情報センター) 7/9

赤岳コースの雪渓

 気温の上昇と連日の雨で登山道の融雪は大幅に進みました。通常アイゼンを使用する場面はありませんが、雪上歩行に不慣れな登山者は携行した方が安心できるかもしれません。

残雪状況
第一花園: 第一花園下沢地形15m、看板奥30m、見晴台下80m
第二花園:全面雪(写真参照)
第三雪渓:中間部から上部にかけて50m(写真参照)
第四雪渓:下部50m

 植物の開花も進み、コマクサ平のコマクサは見頃期に入って来ました。小泉平ではホソバウルップソウが開花のピークを過ぎましたが、チョウノスケソウが徐々に咲きすすんできています。今週末から来週前半くらいが見頃かと思われます。

開花状況
登山口~第一花園下:イソツツジ↓ コガネイチゴ○ ウコンウツギ↑ アラシグサ・モミジカラマツ・ホソバイワベンケイ・エゾツツジ・ゴゼンタチバナ・マイヅルソウ始
第二花園下:ウラジロナナカマド↓ エゾコザクラ・チングルマ↑
奥の平:コガネイチゴ↓ エゾヒメクワガタ・ヒメイソツツジ・ゴゼンタチバナ↑ エゾコザクラ・キバナシャクナゲ始
コマクサ平:ミヤマキンバイ・メアカンキンバイ↓ コケモモ◯ イソツツジ・クロマメノキ・クロウスゴ・コガネイチゴ・コマクサ・チシマキンレイカ・ヒメイソツツジ・キバナシオガマ↑ ハクサンボウフウ・エゾノマルバシモツケ始
第三雪渓下:ウラジロナナカマド・ジンヨウキスミレ○ エゾコザクラ・エゾノハクサンイチゲ・ミヤマキンバイ・キバナシャクナゲ・ジムカデ↑
第四雪渓下:イワウメ・メアカンキンバイ・ミヤマキンバイ↓ キバナシャクナゲ◯ チングルマ・エゾノツガザクラ・コエゾツガザクラ・キバナシオガマ↑
赤岳山頂付近:イワウメ・ミネズオウ・キバナシャクナゲ↓ メアカンキンバイ◯ チングルマ・イワヒゲ・チョウノスケソウ↑
赤岳~小泉分岐:イワウメ・ホソバウルップソウ・ミネズオウ・エゾオヤマノエンドウ↓ ミヤマキンバイ・メアカンキンバイ○ チョウノスケソウ・キバナシオガマ・エゾタカネツメクサ・タカネスミレ・エゾノツガザクラ・コエゾツガザクラ↑
小泉岳周辺:イワウメ・ホソバウルップソウ↓ ミヤマキンバイ・メアカンキンバイ○  キバナシオガマ・エゾタカネツメクサ↑

写真 赤岳第二花園 赤岳第三雪渓 7/7

緑岳稜線

 緑岳から小泉平にかけての稜線では、遅れ気味だった植物の開花が徐々にすすんでいます。
ホソバウルップソウは咲き方がすこし貧弱気味で、開花のピークを過ぎました。チョウノスケソウは開花がすすんできました。まだ蕾も多いので開花のピークは今週末から来週前半くらいかと思われます。
第一花畑は例年になく雪解けが早かったぶん、植物の開花も早く、すでにミヤマリンドウが咲いていました。ツガザクラ類はすでに開花のピークを過ぎた感があります。


開花状況
登山口付近:ダイセツヒナオトギリ始
下部樹林帯:オオバミゾホウズキ・リンネソウ↑ カラマツソウ始
第一花畑:アオノツガザクラ・コエゾツガザクラ↓ エゾコザクラ○ チングルマ↑ ミヤマリンドウ始
第一・第二間:エゾコザクラ○
第二花畑:エゾコザクラ↑
ハイマツ帯:ウラジロナナカマド・タカネナナカマド↓ コガネイチゴ○ ゴゼンタチバナ・イソツツジ↑ エゾノマルバシモツケ始
山頂下岩塊斜面:イワウメ・メアカンキンバイ↓ エゾイワツメクサ・イワヒゲ↑
稜線鞍部:イワウメ・メアカンキンバイ・ホソバウルップソウ↓ イワヒゲ↑
板垣分岐周辺:ミヤマキンバイ・イワウメ・エゾオヤマノエンドウ↓ タカネスミレ↑ エゾタカネツメクサ始
板垣分岐上:イワウメ・ミヤマキンバイ・エゾオヤマノエンドウ・ホソバウルップソウ↓ タカネスミレ↑ チシマキンレイカ・エゾタカネツメクサ始
小泉平:ホソバウルップソウ・エゾノハクサンイチゲ↓
 イワウメ・エゾオヤマノエンドウ○
 チョウノスケソウ・タカネスミレ・エゾタカネツメクサ・キバナシオガマ
ミヤマアズマギク・ミヤマキンバイ↑ チシマキンレイカ始 レブンサイコ蕾


写真 板垣分岐付近 小泉平 7/6

緑岳残雪状況

 連日の気温上昇と大雨で登山道の雪解けはさらに進んでいます。残雪部分にはマーカーや虎ロープの目印がありますので、それに沿って進んでください。エイコの沢ガレ場直下の雪面は傾斜がありますので、滑落に注意してください。
 アイゼンを携行する必要はありませんが、ストックがあったほうが歩きやすいでしょう。

残雪状況
第一花畑:木道はすべて露出。端部に80mほど残雪の斜面あり。
第二花畑:平坦部はすべて木道が露出。端部から柴山尾根乗越にかけて50mほど残雪の斜面あり。
柴山尾根~エイコの沢ガレ場:150mと200mほどに分割された残雪の斜面あり。
エイコの沢ガレ場:15mほどの傾斜のある雪面。

写真 緑岳第二花畑端部 エイコの沢ガレ場下斜面 7/6