バードウォッチング

 今日は愛山渓周辺で野鳥観察会を行いました。講師に鳥類研究者の方をお招きし、鳴き声も含めると23種ほどの野鳥を確認しました。
 今回観察を行った小屋の沢周辺は、ちょうど平地で見られる鳥と亜高山で見られる鳥の境界線になっているため、鳥の垂直分布を観察するにはとても良い場所なのだそうです。聞いているこっちが苦しくなるくらい囀り続けるウグイスに、複雑な節回しで歌うミソサザイ。とても口真似はデキマセン。
 「鳴いてるけどど~こ~?」。新緑に上手に隠れる鳥たち。けれどこちらには頼もしい先生がついています!センダイムシクイ、ウソ、アオバト、クロジなど姿も13種ほど観察できました。
 望遠鏡で見たウソの胸元、朱色の羽根のなんと美しいこと。今日はレンズの向こうの新しい世界を覗いてみました。

 写真:「ゲートの柱もテリトリー」
       ~クマゲラのシワザ (6/1)

とけた!

 やや足踏みしたとはいえ、それでも雪解けはまだ早い。
 とくに、中腹部7合目8合目は見る見るとけて、7合目標柱は半分、8合目標柱は完全に現れました。去年と比べると2週間からそれ以上の進み方です。9合目も標柱とベンチが出て、やはり雪解けは早いのですが、7・8合目ほどの進み方ではありません。何だかいつもの年と逆転している感じ。
 9合目マネキ岩付近は例によって急斜面。雪が締まっているので登るにもキックしながら一歩一歩。上から見下ろすと深い谷に吸い込まれそう。山頂直下は登山道が出てきました。足元のショウジョウバカマが可憐です。ルリビタキやノゴマ、カッコウの声もあちこちから聞こえてきます。春ですね~。

 写真:「急っ!」
    (9合目マネキ岩付近 5/31)
     写真左下隅の小さな影は人物

コメバツガザクラやらウラシマツツジやら

2008年5月31日(その2)

 さて、今年は高山植物の開花も早いのか?とても気になるところです。目下、山頂稜線は去年と比べ2週間ほど早い雪解けですが、開花時期はどうでしょう。
 山頂からポン黒岳の間で、いちばん開花が進んでいたのはコメバツガザクラ。ウラシマツツジやガンコウランはまだほとんど蕾。ちゃんと咲いているのはごくわずかです。ミネズオウもピンクの蕾。花はないかと這い蹲って探したら、登山道沿いで2輪咲いていました。
 正直、幾分早いかなとも思いましたが、雪解けの早さのようにびっくりするほど開花が進んでいるという印象はあまりありませんでした。
 振り返れば、5月後半は気温が低い日が続き、山は何度か降雪がありました。黒岳山頂のように、冬でも雪があまり積もらない風衝地に生育する植物の開花には、温度条件が大きく関わってきます。そのため、これらの開花が思うほどには早まらなかったのでしょうか?

 写真:ウラシマツツジ蕾と花
   (後ろは北鎮岳 5/30)

黒岳のサクラ

 
 
 黒岳5合目高松台で、チシマザクラが咲き出しています。例年黒岳の桜が開花するのは6月上中旬頃。今年は先週22日に最初の蕾がほころび、約2週間も早い開花となりました。やっぱり暖かかったんですねぇ・・。
 今はまだ蕾も多いので、来週までゆっくりお花見ができそうです。

 
 写真:チシマザクラと黒岳(5/29)

クマゲラ

 クマゲラの抱卵が始まっています。順調にいけばもう間もなく雛が孵る時期です。
 クマゲラの産卵は5月頃行われます。卵が産まれると、オスとメスは交代で約2週間卵を抱き続け、雛が孵ります。雛への給餌もオスとメスが交代で行います。雛は6月下旬頃に巣立ちますが、その後もしばらく親と一緒に過ごし、秋頃独り立ちします。
 さて、警戒しないように離れて観察を続けていると、オスが戻ってきました。「おーい、交代だよ~」。巣の入り口で中を覗くオス。てっきりオスは、メスが巣から出てくるのを待ってから、中に入るのだと思っていました。メスのときは、ちゃんとオスが出るまで外で待っていたからです。ところがオスは、それが待ちきれなかったのか、メスが出る前に強引に中に入ろうとします。メスはメスで外に出ようするけれど、入り口を塞ぐオスが邪魔。
 仕方がナイ。メスはオスの背中をむんずと踏み台にして、素っ飛ぶように行ってしまいました。

 写真:クマゲラ雌(5/24)