山みちで

 葉っぱの上のアマガエルをちょいちょいとつつきながら木陰涼しい山道を歩いていると、前方にてんこ盛りのヒグマのフンが。いちおう辺りをそろりと見回し、糞ウォッチング。中にはフキのような太い繊維質の草がびっしり詰まっています。色は、したてのフンは食べた草の緑色をしていますが、時間が経つと黒くなります。くさいにおいはしません。これから秋になってヒグマの大好きなヤマブドウやコクワが実ると、それを食べたフンはジャムのような甘酸っぱいにおいがします。フンにはそれら未消化の種がたくさん詰まっていて、食べた分は必然的にちゃんと種まきされるしくみに。
 すでにフンの上ではにおいを嗅ぎつけたアリや甲虫たちが格闘中。やはり自然のことに無駄のナシ。