冬の間、偏西風の風下にあたる黒岳東斜面には大量の雪が積もり、とくに新雪が降った後などはスノーシューを履いていても腰まで埋まるほどの吹き溜まりになることがあります。ところが山頂はというと、強風が雪を吹き飛ばしてしまうため、冬でもほとんど雪は積もりません。地面が露わになっているところもあります。保温材の役目をしてくれる雪が少ないため、植物にとっては過酷な環境です。その為、植物はマット状に葉を密生させたり、ワックス状の物質で葉の表面を厚く保護したりと、あの手この手の工夫で乾燥や寒さから身を守っています。
写真:黒岳山頂周辺(12/26)
7月、コマクサの群生が見られます。
写真:黒岳山頂周辺(12/26)
7月、コマクサの群生が見られます。