風のちから

 「山の上の雪はどれくらい?やっぱり少ないの?」と、春山あるいは夏山に向け、問い合わせも徐々に増えてきました。
 4月に入ってから何度か降雪がありましたが、晴れて気温が上がる日が多く、黒岳石室周辺の積雪は先月とあまり変わっていませんでした。それでも昨年の同時期と比べると少ないようです。「石室は」という前置きがあるのは、場所によって積雪の具合が違うからです。風向きなどの影響で、ある年の積雪がA場所では例年より少なかったけど、B場所では例年より多かったというように、山の積雪量は一律して多い少ないと言い切れない事もあります。
 こうしてみると、風というものはつくづく重要な要素だと思います。風上と風下があって、雪が吹き飛ばされる所と吹き溜まる所がある。高山植物もそんな極端な環境の違いをすみわけて、それぞれの群落をつくっています。山に白と黒のコントラストが現れるようになると、それがよくわかります。

 5合目積雪/105センチ
 7合目積雪/250センチ(6日比20センチ減)

 写真:ポン黒岳より石室・北鎮岳方面(4/16)
     このコントラストも、たった一度の降雪で
     いつでも白一色の世界に逆戻りする