黒岳へ

 (*前回つづき)
 5合目リフトは今月末まで運休中なので、ここから先は自分の足で。先週の低気圧、層雲峡でもあれだけ吹雪いたのだから、山はさぞや雪が深いだろうと覚悟していたのですが、びっくりしました。積もっていなかったのです。風が強すぎたのか、雪はみんな飛ばされてしまっていました。斜面に硬く浮き出た荒々しいシュカブラ(*)がそれを物語っていました。
 そしてもうひとつ驚いたのが積雪量そのものです。5合目の積雪計は150センチを指していましたが、これは昨年12月26日の積雪とほぼ同じです。山頂からポン黒岳にいたっては、12月の時点よりも雪が少ない。12月以降、思ったほど降雪がなかったことに加えて、ある程度晴天が続いて雪がぐっと締まったことも増えない積雪量の理由のようです。
 山の冬は長く、これから幾度も降雪を迎えることでしょう。多い少ないを言うにはまだ早いかもしれません。さて今年はどんな春がやって来るのでしょうか。

 (*)シュカブラ/風が雪面を削ってできる縞状の模様

 写真:黒岳石室(右・凌雲岳、左・北鎮岳 2/19)
    石室周辺の積雪も12月からあまり変化がない。