霜凪

しんと冷たく静まり返った昨日の月夜は、絶好の霜日和を想像させてくれました。こんな日は霜凪(しもなぎ)という言葉がぴったりです。まるでおとぎの国にいるみたい~とロマンチックな気分にどっぷり浸かりつつも、流れる鼻水は凍りそう。寒い寒い。今朝はマイナス19℃まで下がりました。

写真:ススキの穂についた霜の華(12/5)

雪の結晶

夜半からはらはらと降り続いていた雪が止み、かすみのような霧が渓谷に立ち込めています。降り積もった雪はふわふわで、顔を近づければその熱で解け出してしまいそうです。トドマツの葉の上は様々な形をした雪の結晶でいっぱいです。
 ところで、雪の結晶というものは、何か顕微鏡のようなもので覗かないと見えないものだと思っている方が意外と少なくないようで、観察会などで紹介すると驚かれることがあります。綺麗な雪の結晶が見られる条件はマイナス10℃以下で風が弱いこと。湿度によっても形は千差万別、みんな違っています。結晶の研究の場ともなった大雪山系は、北海道でもいちばん美しい雪の結晶が降る場所といわれています。ぜひ顔を近づけて観察してみてください。

写真:雪の結晶(紅葉谷 12/3)

ヤナギの勘違い

 太陽が昇ってしばらくすると、鳥たちがやって来て木々に積もった雪をふり落としていきます。その柳の枝先を見ると、ほころびた冬芽から銀色の絹毛がポンポンと顔を出していました。
 いくら早春から芽吹く柳の種類とはいえ、褐色の冬芽が割れて、中から絹毛が覗き始めるのは普通3月、4月頃からです(上川近郊)。2月末頃でも日中暖かくなると、せっかちな絹毛姿を見かけることがありますが、今はさすがに季節外れ。一定の低温にさらされ、その後に暖かくなると初めて開花する桜のように、「春が来たセンサー」が作動し芽吹いてしまったのでしょうか。それともひとときの陽射しにただ早とちりしてしまったのでしょうか。
 冬はこれから深まるばかりです。すっかり萎れた残り葉が、枝にしがみつき風にブルブル揺れていました。

 写真:エゾノキヌヤナギ(陸万 11/29)

雪面の軌跡 その2

 まだヒグマは冬眠していないようです。
 日中は比較的穏やかな日が続いています。眠りに付くには早いと歩き続けるヒグマたち。冬眠前ギリギリまで脂肪を蓄えなければなりません。
 エゾシカ猟の標的になったエゾシカの血痕を追いかけ、足跡は沢を渡り森の奥へと消えていきました。

 写真:ヒグマの足跡(11/25)

雪面の軌跡

 雪が地面を隠すようになると、逆に見えるようになるものがあります。これは雪面に残されたミヤマカケスの3つの軌跡です。足跡とくちばし、そして翼の跡。
 推測するとこうです。・・・トドマツの林にお腹を空かせたミヤマカケスがいました。おっと雪上に美味しそうなもの発見。狙いを定め、両の肢で綺麗に着地、ぴょんぴょんと2歩、パクッと啄ばむと飛び去っていきました・・・。
  
 写真:写真右端が着地点、足跡の先に嘴の跡
              (11/23)